約 2,800,454 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/448.html
「ふー」 家に帰ってきて一息、すこし休んだところで買ってきたものを台所の上に広げる。 今日買ってきたのは冷凍ちびゆっくり12個パック、甘さ控えめなもの。 生まれたてのあかちゃんを瞬間冷凍で凍らせもので加工所で売っている。 用途は主に食用だが、他の目的で買っていく人もいるかもしれない。 食べるにしてもなんにしても、まずは解凍する必要がある。 解凍は、真空パックされた袋を切り口をいれる。 中に空気が入ると中の発熱剤が反応してゆっくりと暖められていくのだ。 「…ゆー!」最初に目覚めたゆっくりが声をあげる。 「ゆー!」次に目覚めたのも同様に声を上げ、全員が目を覚ますと、 「「「「「ゆっくりー!!」」」」」みんなで声を揃えてお目覚めの挨拶をする。 「おかーさん!おなかすいたよ!!」 「ごはんにしてね!!」 「ゆー!ゆー!はやくしてね!!」 目を覚ますことなく袋づめされたゆっくりたちにとって、 今、目の前にいる自分物こそが母親である。 「おはよう、みんな!さっそくだけど、みんなこの穴の中にはいってね! はいったらご飯にしようね!!」 そう言って、ゆっくりたちの前に丁度同じぐらいの大きさの穴が開いた板を置く。 「ゆー♪ごはんだよー♪」 「ごっはん♪ごっはん♪」 「れいむがいちばんだよ!いっぱいちょうだいね!!」 「ずるいよ!!そこはれいむがはいろうとしていたとこだよ!!」 「ゆっくりしたけっかがそれだよ!ゲラゲラ!!」 「ゆー!!!もういいよ!!れいむはこっちのあなにするよ!!!」 こうして12匹のゆっくりは6×2個の穴にすっぽりと収まる。 すっぽりとはまりすぎて、あたまから入ったまま動けなくなるゆっくりもいるので 今のうちに直して全員上を向くようにしておく。 「さあ、ごはんだよ!いっぱいおたべ!!」 そういって小麦粉をミルクで練っただけのものを与える。 かすかにミルクの甘味があるだけの塊だがゆっくりにとってはご馳走だ。 食べやすい大きさでちぎってゆっくり達の口にいれてやる。 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「「「「「「しし♪♪あわせ~~~♪♪♪♪」」」」」 順番に口に入れてやることでゆっくりたちの輪唱が聞こえてくる。 「おいしいよ!もっとちょうだいね!!」 「もっと♪もっと♪」 「れいむにも~!!もっとたべたいよ!!!」 「はいはい、お腹一杯食べさせてあげてるからね。」 「やったー!!ゆっくりたべるよ!!!」 「「「「ゆっくりたべさせてね!!!!」」」」 ごはんを心行くまでたべたゆっくりたちはうとうととお昼寝を始める。 そろそろコンロに火をつけよう。 「はい、これデザートね!一人一個だよ」 産地直送のまだピクピクと動いているたこの足を、 ゆっくりたちが食べられるように一口だいに切り分ける。 「zz…ゆゆ!なにそれ!!はやくたべさせてね!!!!」 眠気をどこかに吹き飛ばし、目をきらきらとさせて期待のまなざしでこちらを見つめる12匹のゆっくりたち。 切ったたこの足をさっきと同じように順番に口に入れてやる。 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 先ほどと同じようにゆっくり味わおうとするゆっくりたちであったが今度はそうはいかない。 新鮮な蛸の足は吸盤がまだ生きていて、口の中に張り付いているのだ。 突然の出来事に驚いたゆっくり達は目を白黒させて、吐き出そうとしたり飲み込もうとしたりする。 だが強力な吸盤の力をゆっくり達どうにかすることは出来なかった。焦って吐いたり飲んだりを繰り返していたせいもあるかもしれない。 ゆっくり達がそうこうしているうちに、ゆっくり達が入っている穴もゆっくりと熱を帯びて行く。 やがてジューという音がするほど熱くなるが、蛸の相手に精一杯なゆっくり達は気づく余裕がなかった。 そんな中、ゆっくり達の一匹が異変に気づく。 それにつられて他のゆっくりも悲鳴をあげ始める。 ゆっくり達が入っている穴はどんどん熱くなるが、そこから逃げることは出来ない。 さっき心行くまでご飯を食べ、少し膨れたゆっくりたちは穴にすっぽりと嵌ってしまったのだ。 鉄で出来た板はどんどん熱をあげ、ゆっくり達の皮に焦げ目をつけていく。 最初は全力で悲鳴をあげていたゆっくり達も随分静かになってしまった。 そろそろいい頃合だ。太い針のような棒を使ってゆっくり達をひっくり返す。 まず、鉄板から剥すために穴に沿って焦げ目を削る。 次に、次に棒を下の方まで差しこんで、クルリとまわすようにひっくり返す。 ひっくり返したらしばらくそのまま。 ピクピクとした震えが止まったら丁度いい頃合。 同じ要領でもう一度ひっくり返す。 白目を向いて焼きあがっているゆっくり達が見えたら、はい!完成!! あとは、ソースやマヨネーズをお好みでどうぞ あとがき 後半はどうみても手抜きです本当にありがとうございました。 ゆっくりの台詞をひらがなで打っているとIMEがどんどんゆっくりになっていきます。 本当にありがとうございました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/966.html
家に帰ると、居間の方から話し声が聞こえて来た。 「ゆ!そろそろうまれそうだよ!」 「ゆっくりしたあかちゃんになりそうだね!」 居間を覗き込んでみると二匹のゆっくりがこちらに背を向けている。 黒い帽子と赤いリボン、まりさ種とれいむ種だろう。 れいむの方は2本ほどツタが生えており、赤ちゃんまりさが1匹に 赤ちゃんれいむが3匹ほどぶら下がっている。 植物型の妊娠は1度に10匹弱〜10数匹は産むのだと思っていたが、 ツタの表面につぼみが落ちたような後が何箇所か付いている。 恐らく外敵にでも追われて必死に逃げたら、ツタを揺らしすぎて 落としてしまったとかそんな所だろうか。 妊娠した母体のゆっくりは安全な巣で出産を待つと言う。 この家に居ると言う事は巣も無いのに妊娠したのだろう、 誠におばかである。 居間に入っていくと、ゆっくりはこちらに気が付いたようだ。 「ゆっ!ここはまりさたちのいえだよ!」 「これからあかちゃんをうむからゆっくりしないででていってね!」 早速腹が立つ事を言ってくれる。 だが本当は自分の家だと教えてもゆっくりは理解しようとしない。 ばかなの?しぬの?と余計な事を言ってくるだけだろう。 部屋が荒らされていないか見回してみるが、さすがに妊娠したつがいでは そう暴れる事も出来なかったのだろう。せいぜい空の酒瓶が倒れて たんすの下の段が開いていたり布団がぐちゃぐちゃになっているくらいである。 いや、布団は元からかもしれない。 「ゆ゛うぅぅ!さっさとででいげぇ!」 さっきからゆっくりの言葉に返事もせず、部屋の状況を確認するのに 夢中になっていたのが気に食わないのかまりさが足を押してくる。 必死になっているが足は全くうごかず、まりさの方が足にめり込んで変形している。 そのまま足で押すように蹴りとばし、れいむの方を向きあぐらをかいて座ると 赤ちゃんに手を出されると思ったのかれいむは少し怯えたように後ずさりする。 すぐに潰したり外に投げ捨てたりするのもいいが、折角だから出産シーンを 見物させてもらおう。 「なにするの?ゆっくりできな…ゆっ!?」 抗議の言葉を投げかけようとしたれいむが頭上の異変に気づき動きを止める。 ツタに生った赤ちゃんのうち1匹がぷるぷると震えだし、その震えが 伝染したかのように他の赤ちゃんも全て震えだした。 先ほど蹴り飛ばして「ゆべっ」と倒れていたまりさも 抗議する事すら忘れて見入っている。 さほど時間がかかることもなく、4匹の赤ちゃんゆっくりは次々と落ちてきた。 すこし地面の上でぷるぷると震えた後、眼をキラキラさせて声を揃える。 「「ゆっくりしていっちぇね!」」 「すごくゆっくりしたあかちゃんだね!」 「ゆっくりしていってね!いっぱいゆっくりしていってね!」 定番の挨拶をした後、ツタを生やしたままのれいむはこちらに向き直り 「かわいいあかちゃんでしょ!げんきにそだつように さっさとごはんをもってきてね!」 とのたまう。さっきは出て行けと言っていたのにもうこれだ。 最初は頭の上のツタを赤ちゃんに食べさせるそうだから、 赤ちゃんをダシに人間から自分のご飯も貰おうと考えているのだろう。 「さっさとしてね!」 「「ごはんちょうだいね!」」 まりさや赤ちゃんも同調する。まりさなどは先ほど蹴られた恨みもあるのだろう。 細目で笑っているのか無表情なのか、非常に憎たらしい表情である。 ごはんといってもな、何かこいつらが食えそうな物などあっただろうか。 食事と聞いてなぜ連想してしまったのか、つい倒れた酒瓶の方に目を向ける。 先の細くなった瓶の口を見て、いたずらを思いついてしまった。 「よし」 つぶやいて、立ち上がらずに酒瓶に手を伸ばす。 よし、と言う返事からご飯をくれると思ったゆっくりは笑顔で跳ねる、 と素早い動きで赤ちゃん4匹はヒョイヒョイと掴まれてしまった。 「ゆ゛っ!?」 「なにするの!?ゆっくりはなしてね!」 急な動きに意表を突かれた親は固まってしまう。 れいむの方はまりさよりも若干だが頭が良いのだろう、 すぐ状況を把握して子供を放すように要求して来た。 その言葉に耳を貸さず、手元で瓶の口と赤ちゃんゆっくりを近づけると、 遊んでもらっていると思ったのか赤ちゃんはキャッキャと喜んでいる。 プチトマトサイズでは瓶の口を通るには少し狭いが、やわらかい饅頭なら 変形すれば大丈夫だろう。 瓶の口に赤ちゃんれいむの顔をあてがい、親指で後頭部をグッグッと押していく。 「ぎゅっ!?ゆ゛っゆ゛っ」 ちょっと小さい口に押し込まれた赤ちゃんは明らかに苦しそうな声を上げる。 その声を聞いた親は異常な事態にパニックを起こしだした。 「な゛にやっでるの゛おぉぉ!」 「はなぜ!さっさどじねぇ!」 れいむはツタをふりふりさせながら足に体当たりし、 好戦的なまりさは腕に飛び掛ってくるが、どちらも全く効き目がない。 「ゆ゛ぶっ!いじゃい゛い!」 変形しながら瓶の口を通り抜けた赤ちゃんれいむは瓶の底まで転がっていき、 少量の餡子を吐き出しながら泣き出した。これならちゃんと通れるな。 残った赤ちゃん3匹も瓶の中に入れてしまう。 先に入った赤ちゃんの悲痛な声を聞いていたゆっくりは 自分の番が来ると目をウルウルさせながら手の中で暴れるが、 れいむ種2匹はさっきと同じ要領で瓶に入れてしまう。 「や゛めで!お゛ねがいだがだやめでーっ!」 親二匹も攻撃が通じないと判ったのか、泣きながら懇願するばかりである。 最後は赤ちゃんまりさの番だが、まりさ種特有の帽子が邪魔になる。 「まりじゃのおぼうぢがぁぁ!」 帽子を取り上げた赤ちゃんまりさを、れいむと同じように瓶の口にあてがい また親指で押し込んだら、帽子だけを後から入れてやる。 「ゆう゛、う゛う゛…」 無理やり変形させられた痛みに涙が出るが、ひらひらと落ちてきた帽子をみると もぞもぞと被りに行く。 ボトルシップはピンセットを使い、瓶の中で部品を組み立てるそうだが これは部品が自分で勝手に帽子を被ってくれるので楽なものである。 これで4匹全員が瓶の中。赤ちゃんゆっくりは決して広いとは言えない 瓶の底面で泣きながらふらふらしている。 「くちゃい!ここなんだかくちゃいよ!」 空になる前は酒が入っていたからなぁ。 親は親で、舌を入れるのも困難そうな瓶の口の細さに 「どうじだらいい゛のお゛!」と叫んでいる。 舌を入れられたとしても、赤ちゃんを強く押して変形させながらで やっと入れられた細さの口である。苦痛を感じる赤ちゃんを無理やり 引っ張り出すなどゆっくりの力ではとても出来ないだろう。 もし頭のいいゆっくりなら割って助けると言う選択も思いつくだろうが、 中に居る赤ちゃんが衝撃に耐えられるか不安な所である。 自分の力では出せないと判った親はこちらに文句を言ってくる。 「はやくあかちゃんをだしてあげてね!」 「ゆっくりできないから、あかちゃんをだしたら ゆっくりしないでしんでね!」 れいむは赤ちゃんにツタを食べさせるタイミングを失ったいる為、 怒ったセリフに合わせてゆさゆさとツタが揺れる。 そう言えば赤ちゃんは租借したえさか、このツタしか食べられないんだったなぁ。 瓶の中の赤ちゃんに目を向けると、腹が減ったのか元気が無さそうにうつむいている。 きつい酒の匂いに気分が悪くなっているのもあるのだろうが。 とりあえず、れいむから生えている2本のツタをつまみ、ぷちっと引き抜く。 「ゆゆ!それはあかちゃんのだからとらないでね!」 と抗議されるがそのまま瓶の中に落として上げると、 赤ちゃんにごはんを上げてくれたのだと判断したのだろう。 「ごはんをあげてくれてありがとう!れいむたちにもごはんをちょうだいね。」 「なんどもはねてつかれたよ、おいしいおかしをもってきてね!」 自分の分までねだって来た。怒ったりねだったり忙しい、 まったくゆっくりしていないゆっくりである。 瓶の中ではさっそく赤ちゃんたちがツタに群がっている。 さすがにツタ2本だけで、瓶の中では餌を租借して渡すのも困難となると 長くもたないのではないか、と考えがよぎり、また思いついてしまった。 無ければ作ればいいのである。 「どうしてだまってるの!?ばかなの?しぬの?」 と癇癪を起こしだす親二匹の後頭部をわっしと掴み持ち上げる。 「ゆ゛!?なにするの、ゆっくりおろしてね!」 「ゆ、ゆへへ、まりさたちはおおきくてびんにははいらないんだぜ! そんなこともわからないなんてばかなんだぜ!」 さっき持ち上げられた赤ちゃんと同じように瓶に入れられると思ったのだろうか、 言われなくても入らない事くらいわかるのに自信満々なまりさの頬と れいむの頬をぐっと押し付けると、ごしごしと揉み洗いをするように2匹の頬を 擦り付ける。無理やりほお擦りをさせる形である。 「ゆっゆっ、いだいよ、やめて!」 力加減が強すぎるのか、痛みを訴えるが無視して摺り続けると 次第に頬の皮が絡みつくようにねっとりとし、二匹の顔も上気しだす。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ…」 それでも止めずに続ると、声にも艶が出てきて顔全体がじっとりと粘液で覆われる。 突然甘い声を出し始めた親のスキンシップ、赤ちゃんたちは瓶の中からその行為を 息を呑んで見つめる。まだ何をしているのかも判らないのだろうが、 とても気持ちよさそうにしているのは通じるらしく、 となりの赤ちゃんとほお擦りを始めている。 親二匹がいわゆるアヘ顔になってから十数秒も経つと、突然ぺっかー!と笑顔になり 「「すっきりー!」」と叫んだ。これで交尾も終了のはずである。 すっきりの気持ちよさに、目をトロンとさせている二匹を床に下ろすと、 まりさの側頭部からスルスルと2本のツタが伸びだした。 被っている帽子のつばが邪魔になるため、側頭部から帽子の外まで横に伸びた後 若干カーブして上向きに伸びる。2本の角のように見えて、ふとせんとくんと言う 言葉が浮かんだか何の事だか判らないなぁ。 まりさとれいむのつがいだと、れいむが母親になるケースが多いようだが、 確かに大きな帽子を被ったまりさと植物型出産は相性が悪いように見える。 「ゆゆ、まりさおかあさんになっちゃった…」 急に慈愛に満ちたような表情でまりさがしおらしく呟く。 正直まりさらしくないが、母親はこうだ、と言う思い込みがあるのだろう。 そんな事を考えているうちにツタの表面につぼみが出来始めた。 子供を増やしてしまっては意味がないので早速側頭部からツタを引き抜く。 「ゆあっ!まりさのあかじゃんにな゛にずるの!!!」 目を見開いて叫ぶが気にせず、ツタから出来かけのつぼみをちぎり取る。 さっきれいむから引き抜いた、直前まで子供を育てていたツタと比べると 若干細いような気がする。中の管に子供の為の栄養も流し始めていないのだろう。 これでは瓶の中の子供の栄養としては不十分かもしれない、 となれば質より量を求めるしかない。 まりさから抜いたツタも瓶の口から放り込み、またまりさとれいむを掴む。 「ゆっ!もうすっきりしてつかれたからゆっくりさせてね!」 二匹の頬をくっつけ、すっきりするまで擦り付ける。 「ゆっゆっゆっゆっゆっ、やっ、ゆっ、やめてっ、ゆっ…」 … 「ゆ゛っ、すっ、すっきりー!」 恍惚とした表情のゆっくりからスルスルと生えてくるツタを引き抜き、瓶に入れる。 「あがちゃんどらな゛いでぇぇー!」 これを繰り返す。何回も何回も。 気づけば瓶の口からは入りきらなくなったツタが十数本、もっさりとはみ出している。 食事も与えずに何回もすっきりさせられた親はもはや虫の息、と言った感じで 上気させながらもやつれた顔で倒れている。 赤ちゃんも食べる以上に放り込まれるツタが動くスペースを無くし、 何度も何度も親のすっきりを見せ付けられた事もショックだったのか ツタに囲まれながらぶるぶる震えている。 今にも死にそうな親は、ツタが無くなった後に中身の餡子を 子供の餌にすればよい。 今あるツタを食べ終わる頃には、赤ちゃんもみんな体が大きくなって 瓶の中では窮屈になるだろう。その時この4匹が親の餡子を奪い合って どんな醜態を見せてくれるかと思うと今から待ち遠しくなる。 おわり。 お帽子の人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2508.html
ゆっくり先生 「はい注目ー!今日の授業はゆっくりの行動についてだ。いいか、よく聞くように。」 教壇に立って大声を張り上げている彼の名前は、鬼意山。 もともとは生物学者だったが、今は小学校の教師をやっている。 彼の担当は理科。中でもゆっくりを使った実験で生徒から人気を集めている。 その残酷で楽しい授業から、いつしか「ゆっくり先生」と呼ばれるようになっていた。 「まず、ここに1匹のゆっくりがいる。どうだ?ゆっくりしてるだろう。」 「ゆっくりしていってね!!!」 『ゆっくり』という言葉に反応して、鬼意の連れてきたゆっくりが鳴き声をあげる。 教室の生徒も「すげぇ!ゆっくりだぜ!」「あたい、ゆっくり見たの初めてだよ。」などと騒ぎ出す。 生徒が興奮するのも無理はない。ここは大都会のど真ん中だ。 ゆっくりなんて、めったに見かけない。 見つけたとしても、死体で発見される場合が多い。 鬼意は教卓をバンバンと叩いて、教室の空気を鎮めると、再び授業を再開する。 「さっきの行動だが、あれは条件反射という。頭で考えるんじゃなくて、体が自然に反応するんだ。 ほら、もう一回いくぞ。ゆっくりしていってね。」 「ゆゆっ!?ゆっくりしていってね!!!」 またも『ゆっくり』に反応して鳴き声をあげる。 そう、このゆっくりは実験教材なのだ。 もともとは、群れでゆっくりしていたのだが、運悪く鬼意に捕まってしまって現在にいたる。 「この反射は自分の意思とは無関係に起こる。じゃあ、ゆっくりにエサを与えてみるぞ。ホラ食え。」 鬼意は理科室の水槽から、水草を1本出してゆっくりに与える。 もちろん、ゆっくりはそれを「む~しゃむ~しゃ」しながら食べ始める。 「ゆっくりは今エサを食べているな。今こいつの頭の中はエサを食べることで一杯だ。ゆっくりしていってね」 「む~しゃむ~、ゆゆゆ!?ゆっくりしていってね!!!」 「おk!こいつは今、意識的に反応したんじゃないぞ。頭の中はエサのことで一杯だったが、体が「ゆっくり」という言葉に反応したんだ。」 「ゆぅ!ごはんのときはしあわせ~!させてね!ゆっくりできないよ。ぷんぷん。」 ぷくぅ~、と膨らんで怒りをあらわにするが、鬼意は顔色ひとつ変えずに授業を進める。 「反射には始動させる原因になる刺激がある。車でいうキーみたいなもんだ。たとえば、この場合は「ゆっくり」という言葉。 こういった刺激のことを『かぎ刺激』というわけだ。はいここ、テスト出るから。」 カツカツと黒板にチョークを走らせながら説明を続ける。 この説明の間も、ゆっくりは「む~しゃむ~しゃ」しているわけなのだが、鬼意の説明で「ゆっくり」という単語が出るたびに反応してしまう。 エサをまともに食べられない状態では、ゆっくりのストレスがマッハだ。 しかし、本当の地獄はここからである。 「じゃあ、これ回すからみんなでやってみろ。殺すんじゃないぞー、これ次も使うから。」 そういって鬼意は最前列右端の生徒にゆっくりを渡す。 「へへっ!ゆっくりだぜ!初めてさわったよ。ゆっくりしていってね。」 「ゆ~おそらをとんでるみたゆゆゆゆ!ゆっくりしていってね!」 「はははっ!おもしれー、マジで反応するぜ。ホラ、ゆっくりしていってね~」 「ゆぅ!ゆっくりしていってね!」 生徒は生まれて初めてのゆっくり苛りにテンションが上がっている。 ゆっくりは完全に生徒たちのオモチャと化してしまった。 「オイ俺にも貸せよ!」 「早く~!あたしもやる~。」 「ほらほら~ゆっくりしていってね!」 「ゆぐぅ・・・ゆっくりできな・・・ゆっ!ゆっくりしていってね!」 「お前ら一人一回だー!あとのヤツはノート取れー。黒板消すぞー!」 どんどん広がるゆっくり苛りの輪。もはや教室の空気はカオスだ。 ゆっくりは自分の意思とは関係なく「ゆっくりしていってね」と無理やり鳴かされて、どんどん弱っていく。 生徒が全員さわり終わって、鬼意のところに帰ってきたゆっくりは、「ゆ・・?ゆっぐ、ゆゆっぐ!ゆっぐ?!」 などと始終ブツブツ言うだけの気持ち悪い饅頭になっていた。 「あー、お前ら苛りすぎだ。ほら見ろ、もう死にそうじゃねぇか。」 「せんせー!そのゆっくり死ぬんですかー?」 「バカいうな。こういういい加減な生き物はな、こうすると生き返るんだ。」 鬼意は『業務用特濃オレンジ全力800』と書かれたビンに入っている怪しげなオレンジの液体を、死に掛けているゆっくりに掛けてやる。 「ゆ。。。。ゆ。。。。ゆゆゆうゆ~~~ん!」 ゆっくりは跳ね起きると、アゴを張って「ゆっくりしていってね!!!」と鳴いた。 「おぉおおおおおおおお!」「すげぇーーー!」「ゆっくりちゃん死ななくてよかったねー。」 教室から歓声が巻き起こる。授業開始から20分が経っていた。 「じゃあおまいら、校庭出ろー!10分以内な。ゆっくりしてると成績下げるぞ。」 「ゆっ!ゆっくりしていってね!」 またもゆっくりが反応し、ドッっと教室中が笑いに包まれる。どうやら生徒はゆっくりを気に入ったようだ。 10分後、生徒は校庭に集合し、鬼意はさっきのゆっくりを連れてやってきた。 「じゃあ次は、ゆっくりの移動について説明すっぞ。ゆっくりは基本的に跳ねて移動する。これは体の弾力を使った移動方法だ。 じゃあ実験するぞ。ホラ、取ってこい。」 鬼意は飴玉を10mくらい離れたところに投げる。 ゆっくりはそれを追って「ゆっ!ゆっ!」と跳ねていく。 ていんていんとバカみたいな効果音が校庭に響き渡る。 「また、ゆっくりは食べ物や虫に「○○さん」などと敬称をつけて鳴く習性がある。これは反射ではなく本能行動だ。反射と違って、かぎ刺激などは必要ない。 しかも通常種のすべてのゆっくりが例外無くこの鳴き方をする。良く見ていろ。」 「ゆっ!ゆっ!あまあまさん、ゆっくりたべられてね!」 鬼意の言ったとうりに行動するゆっくりを、生徒達はニコニコ見守っている。 「では次は底面だけの移動だ。これは内部の餡子を使って、底面を波打たせることによって移動する方法だ。」 「ゆぐ!?ゆゆゆ!ゆげっ!ゆげぇ・・・・」 突如、餡子を吐き出し始めるゆっくり。 鬼意は黙って見ているが、生徒達は心配そうだ。 「せんせー!ゆっくりが苦しんでるよ?オレンジジュースあげないの?」 心配した優しい女の子が、ゆっくりの所に駆け寄ろうとするが、鬼意はその肩をつかんで制す。 「今ゆっくりに与えた飴には毒が混ぜてある。これで体内の餡子を半分ほど吐き出させるんだ。 そうすることによって、弾力を失い跳ねることができなくなると、ゆっくりは底面を波打たせて移動するようになる。 これは授業だ。よく観察したまえ。」 鬼意の顔からは、さっきまでの笑顔は消えていた。 それは以前加工所に勤めていた時のような恐ろしい顔だ。 「ほら!ゆっくり!ここにオレンジジュースがあるぞ。さぁ取りにこい!」 どこから出したのか、鬼意はビーカーに入ったオレンジの液体を手に持っている。 「ゆ・・・ゆげぇ・・・・そろーり・・・そ・・ゆげぇ・・・そろーりそろーり・・・」 ついさっきまでの元気は無く、餡子を吐きながら、ゆっくりと地面を這って来る。 鬼意はニヤニヤとその様子を見守っている。 「ゆっ・・・ゆっぐりしだいよ・・・おにーざん・・・あまあまかけてね・・・ゆっくりのませてね・・・」 鬼意はビーカーを傾けると、液体をゆっくりに頭から掛けてやる。 しかし、ゆっくりの様子が変わらない。 なにやらジューーという変な音が聞こえてくる。 「ゆぅううううううぎゃぁあああああ!あづいいいぃいいいい!あづいよぉおおおおお!じにだくないぃいいいい!おうぢがえるぅううう!」 「ふふふ・・・ハハッハッハ!ヴァカめ!塩酸だよ、それは!絵の具で着色してあるけどねーーーー!ヒャッハァアアア!」 鬼意の虐待スイッチは、いつのまにかONになっていた。 こんなことを生徒の前でやっていいわけがない。 だが、ゆっくりを虐待するのは俺の本能行動だ。 「ゆっくりしていってね!!!」を聞くと殺さずにはいられないのは俺の脊髄反射だ。 ゆっくりはしばらく苦しんだ後、黒こげの塊となって動かなくなった。 生徒たちの空気が凍りつく。 あの優しい鬼意先生が、まさか虐待おにいさんだったなんて。 普通なら、生徒からの信頼を失い、もうだれも真面目に授業を聞いてはくれないだろう。 しかしこのクラスは、何かがズレていた。 「やだ・・・なにこれ・・・イイじゃない・・・」「う・・うほっ!おっきしてきた!」「キャハ!ゆっくりってこんな風に叫ぶのね・・・」 「じにだくない~♪あん!たまんないわ!」「フーハー・・・・フーハー・・・・フゥウウウウハァアアア!!」 「いいぞ!もっとやれ!」「もう終わり?つまんなーい。」「先生、今度ウチにおいでよ。フフ・・・僕様の美麗なる虐待を拝見させてあげるよ。」 生徒は皆、ゆっくりの断末魔を聞き、キラキラと目を輝かせていた。 鬼意はスッキリとした顔で空を見上げた。 鬼意の様子を見て、生徒もまた、空を見上げた。 その視線の先には、大きなくじら雲が浮かんでいた。 キーンコーンカーンコー-ン 授業終了のチャイムが鳴り響く。 次は皆大好きな昼休みだ。 「今日の授業はここまで。みんな家に帰ってから復習するように。ところで、ここに1匹の子ゆっくりがいるのだが・・・」 鬼意はポケットから、テニスボールサイズの子ゆっくりを取り出す。 一瞬にして生徒の目つきが変わる。 「俺は飼わないから、ここに逃がしてやろう。」 鬼意はニヤニヤしながら、子ゆっくりを校庭の隅に置いた。 「ゆっくりしていってね。」 「ゆっくちちちぇっちぇにぇ!」 別れの挨拶を交わすと、子ゆっくりに背を向けて歩き出す。 子ゆっくりは、いきなり広い校庭に置き去りにされ、キョロキョロと戸惑っている。 生徒達は1ミリも動かない。ただじっと鬼意の背中を見つめる。 鬼意が校庭を出て、校門の門を曲がった。次の瞬間。 「「「「「「「「「ッヒャァアアアアアアア!!!虐待ッダァアアぁあああああああああ!!!」」」」」」」」」」 「ゆゆ!?ゆっくちやめ・・・」 「ハッハッハ。目覚めたか・・・少年達よ・・・」 鬼意はニヤリと黒い笑みを浮かべたまま、理科室へと戻るのだった。 あとがき 読んでいただいてありがとうございます。 この前、体付きのれいむ&まりさのSSを書いた人です。 感想ありがとうございました。 今回は虐待描写を多くするように頑張ってみました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/102.html
人里から遠く離れた小さな山に、多くのゆっくりが暮らす森がある。 日当たりの良い広場があり、きれいな川が流れ、木の実を付ける広葉樹で構成されており、 小鳥は囀り、げっ歯類以上の大きさの哺乳類はおらず、妖怪も人間も足を踏み入れないというそこは、ゆっくり達の理想郷であった。 そんな美しい森に、とても生存本能の強いゆっくりぱちゅりーが居た。 他のゆっくりぱちゅりーは自らの運命…先天的に病弱で、長生きする事は叶わない自らの体質を受け入れている。 だが流石にこのゆっちゅりーは格が違った。自らの運命を自らの手で(ゆっくりなので手は無いが)変えようと強く思っていた。 ある日ゆちゅりーが短時間の散歩を楽しんでいると、木の洞に詰まって身動きが取れなくなっているゆっくりまりさがいた。 ふと、ゆちゅりーの拙い思考回路があるアイデアを生み出した。 まりさ種はゆっくり達の中でも殊に活動的だ。その点では、ゆちゅりーの理想と言ってもいい。 そのゆまりさの健康で活動的な肉体を得れば、自分もああなれるのではないか。 無論、肉体を手に入れると言っても脳を移植する訳ではない。元よりゆっくりにそのような知識は無い。 あるのは本能だけ。故に、他者の肉体を得る方法はただ一つ。―――食べる事だけだ。 ゆちゅりーは虚ろな表情で、ゆっくりとゆまりさににじり寄る。 「ゆっ!たすけてくれるの!!?ゆっくりひっぱってね!!!」 「…………」 ゆちゅりーは答えない。というか、聞こえていない。今のゆちゅりーにあるのは強烈なまでの食欲だけだ。 「ど、どうしたの!!?さっさとたすけてね!!!」 「…………」 偶然にも周囲にゆっくりの姿は無い。まるでゆっくりの神があるいは悪魔がセッティングしたかのような状況である。 もうゆまりさの体温すら感じられる程に肉薄している。耳障りな雑音も聞こえない。 ぶよぶよと震える皮は美味そうとしか考えられない。 普段は友愛を喚起させられる体臭も今では食欲をそそる香りだ。 肌身離さずかぶっている帽子や、美しい金色の髪に至るまでが御馳走に見える。 そして、 「ゆ゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!や゛め゛で!!!や゛め゛でよ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 思い切り良く頬に食らいついた。その瞬間、口の中をかつて無いほどの至福が駆け抜けた。 ―――すごい。こんなにまりさがおいしいなんて。ゆめみたい。 全身が四散しそうな程衝撃的な味は、ゆちゅりーを虜にした。 一心不乱にゆまりさを喰らう。否、このゆちゅりーはゆまりさをただ食っているのではない。愛しているのだ。 今のゆちゅりーの最大限の愛情表現こそがこの共食いという最も恐るべき行為だった。 「う゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!どうじで!どうじでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 一口齧る毎に、一声絶叫される毎に、ゆちゅりーは心身共に活力に満ちて行くのを実感していた。 このような感覚は生まれて初めてだった。母の蔓に生まれ、目を覚ました時ですらここまでの爽快感は無かった。 「ぐがが……お゛ぼぉ゛……ゆ゛……ゆ゛ぐぐ……ゆ゛っぐり゛ざぜでね゛!!!!!」 それがこのゆまりさの最期の叫びだった。後はただゆまりさの残骸を余さず食う音だけが響いていた。 「むきゅぅーん……」 ゆちゅりーは涙した。一時の激欲に身を任せて友を食べてしまった自責の念で。 もう二度と自分の知らない場所にまで連れて行ってくれた相手と会えない悲しみで。 そして、身も心もかつてない程のゆっくりに満ち溢れている喜びで。 もっと。もっとこのエネルギーが欲しい。友を喪うのは悲しいけれど、それを遥かに上回る喜びが得られるのなら。 「だから……!(福山潤の声で)」 翌日の朝、ゆちゅりーは森の中を全速力で駆け回っていた。恐らくゆっくりまりさと同等の速度だろう。 ゆちゅりーは感動している。速く走れるとはこんなに素晴らしいことなのか。それもこれもまりさと一つになったお陰だ。 もっとだ。もっと食べれば、もっと生きていられる。もっとゆっくりできる。そう、食えば食う程―――強くなる。 ……新たな餌を、発見した。 数年後、そこにはかつての貧弱さなど微塵も感じさせない力強いゆっちゅりーが居た。 体躯は通常のゆっくりより一回りも二回りも大きく、その眼力に他のゆっくりはただ畏れるしかなかった。 今やゆっくりれみりゃさえもゆっちゅりーには近付かない。 ぱちゅりー種でありながら餌を横取りされたゆっくりれみりゃの群れ十匹を返り討ちにするような怪物に逆らう程、ゆっくりも馬鹿ではないのだ。 そう。今やこのゆっちゅりーはこの森に住まうゆっくり達の王なのである。 好きな時に好きなゆっくりと共にゆっくりし、好きな時に好きなゆっくりを食べる。それが王の在り方だった。 だが、王はこの生活にも飽きてきた。以前とは比較にならない位強大な生命力を得た王にとって、通常のゆっくりでは物足りないのだ。 もっと。もっと大きくて栄養のある餌が欲しい。際限無い欲望を持つという点では、人間の王とゆっくりの王は大差無かった。 決意するのに、そう時間はかからなかった。王はこの楽園を捨て、新天地へ向かう事を決意した。 大丈夫。今の自分は強い。ゆっくりれみりゃやゆっくりフランでさえ自分を恐れて近付かない程に。 どんな敵が現れようと打ち倒し、食べるだけだ。 そうして王は向かった。幻想郷の中心部にある人間の里へ。 森を出て三時間、里の外れの外れにある小さな集落を発見した。 地面にしゃがみ込み何かをしている人間が居る。第一村人発見である。王はこいつが記念すべき最初の人間だと決定した。 射程距離まで音を立てず慎重に移動する。まだだ。あと十ym(ゆっくりメートル)。あと八ym、六ym、よし今だ―――! その瞬間、人間がこちらに気付いた。だが構うものか。後は飛び掛り、組み伏せ、食い尽くすだけなのだから。だが…… 王は知らなかった。ゆっくりと人間など、同じような物だと慢心しきっていた。 世界で最も強かったのはゆっくりフランで、自分はそれ以上の生物なのだと勘違いしきっていたのだ。 そう、つまり―――ゆっくり内での序列がどうあれ、ゆっくりである限り人間の食料に過ぎない事をまるでワカっていなかった。 「ごらー!おらの畑で何しとるだァー!!」 食い物である筈の人間はそう叫ぶと、手に持った棒切れを振りかざし、王の頭に振り下ろした。 ぐしゃり。 決定的な音を、王は確かに聞いた。懐かしい感覚。自分の意識から立ち昇る死の匂い。 嫌だ。せっかく生きられるようになったんだ。こんな絶望から逃げる為に同胞まで食ったんだ。 助けて、助けて、助けてまりさ。れいむ。ありす。にとり。うどんげ。にいと。あやや。てんこ。ちぇん。さくぽ。れみりゃ。フラン。 助けろ!私は、私はお前らの王なんだぞ……!! と、ありえない光景を見た。森に居た多くの仲間達が自分を見ている。ああ、やっぱり助けに来てくれた……皆! 「たすけろ、だってさ」 「おお、いやだいやだ」 大勢の仲間が、嫌な笑顔でこちらを見ていた。 どうしてこんな顔を向けられるんだろう。 どうしてこんな事になってしまったんだろう。 わたしはただ、みんなとゆっくりしたかっただけなのに…… 「おーい母ちゃん。こんなもんが畑を荒らしとったぞー」 「あんらーお前さんそりゃ『ゆっくり』だよぉ。それを里に持っていくと高く売れるんだわー」 「へぇそうかい。そいじゃちょっくら売ってくらぁ。おぅ、種蒔きは代わりにやっといてくれよ」 「そんな事言ってまた遊んでくるんじゃないんだろうね!いやだよこの間みたいに土産とか言ってエロ同人誌五十冊も買って来るのは」 「へっへっへ、もうあんな事はしねえよぉ。んじゃ行って来る」 「全く。気を付けて行って来てなあ!最近は妖怪が出るとか言うけんねー!」 「おおう!妖怪なんざ俺のコブラツイストでボッコボコにしちゃるけん!」 「調子いい事言うんだから。妖怪になんて勝てる訳……おや、何だいこりゃあ」 彼女の足元には文字が刻まれていた。そこはかつての王が息絶えた場所だ。そこにはこう書かれていた。 「ゆっくりしていってね!!!」 DEAD END
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/693.html
ゆっくり戦争 ある年ある時、A国がX国に対して宣戦布告した。 X国は戦いを拒み平和的に解決しようとしたが、A国はそれを拒否した。 しかしX国は小国で、武器や兵士も少ない。 これでは圧倒的虐殺ではないかと提案されたのがゆっくり戦争である。 ゆっくり、というのは元々いつの間にかいた珍獣らしきもので、体は餡子でできている。 研究に研究を重ねて人工的にゆっくりを作る事も可能にし、これを実践投入すればまさに人間に被害のない平和的に戦争ができるという事だ。 元が餡子なのでコストも低く、量産する事ができる。 A国もゆっくりを使う事を合意した上で戦争が始まった。 A国領土の離島付近。 「今日は実戦だ! 何時死ぬかわからないし何時敵が来るかもわからない! だが、お前たちは過酷な訓練を勝ち抜いてきた兵士だ! 今日ここで我々にゴミクズと呼ばれていたお前らは立派な兵士となる! 行け!」 教官の合図とともにボートが発進する。 ボートの数はおよそ100、ゆっくりが10人入ると計算して1000匹ものゆっくりがボートに収納されている。 「ゆっ! いよいよだね!」 「れいむたちからおかしをとったやつらからしかいしするときだね!」 なにやら勘違いをしているようだが、これも教官の刷り込みである。 ゆっくりたちにとっては、敵は『ゆっくりプレイスに侵入してくる悪いゆっくり』なのだ。 「ゆゆ! 見えてきたよ!」 「みんないくよ!」 島が視認できる頃、轟音が鳴り響く。 ゆっくりまりさ二等兵がボートから顔を覗かせると、他のボートが沈んでいた。 「だずげべえ゛え゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ」 「じにだぐだい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!」 沈むボートに取り残されたゆっくりたちは悲鳴を上げるが、波に飲まれて消えて行く。 まりさ二等は歯軋りをして船の先頭についてある機関銃の上に乗った。 構造は普通の銃とは変わりない。 だが、手のないゆっくり達のためにボタン式の銃となっている。 つまり、機関銃の前に立ってジャンプをすればフルオートで弾が発射される仕掛けである。 「ゆっくりしね!」 ジャンプすると轟音が鳴り響き、機関銃から弾が発射される。 それを見たほかのボートのゆっくり達も、機関銃に乗って弾を乱射する。 島から襲い来る雨のような弾丸にボートの中にいるゆっくり達も被弾し死亡する。 そして。 「りくちだよ! みんなおりてね!」 まりさ二等が叫び声を上げ、武器の槍を装備する。 槍といっても木を斜めに切っただけという質素なもの。 ゆっくりの戦争に通常兵器など使ってられない。 機関銃の弾も、コストが低い特殊なものを使っている。 「ゆゆ! わかったよぶべぁ!」 出てきたれいむ一等兵が被弾し頭が砕け散る。 島の防衛ラインからの攻撃だった。 「いそいで! はしらないとたまにあたるよ!」 まりさ二等を先頭に、ゆっくり達は走り出す。 他のボートからもゆっくり達が飛び出し、撃たれながら進む。 「ゆあああああああ!!」 叫び声とともに丘に登り、防衛ラインにいたゆっくりれいむを突き刺す。 「ぎゅげっ!」 悲鳴とともに絶命する敵れいむ。 だが、仲間のゆっくり達がすぐに槍を持ってまりさ二等に突っ込んできた。 「まりさあぶない!」 突っ込む敵ゆっくりをありす二等が刺し殺す。 もしありすが助けなければ、まりさ二等は串刺しにされていただろう。 「ありがとうだぜありす!」 「べ、べつにあんたのためなんかじゃないわ! てきがいたからたおしただけよ!」 戦闘中によくそんな悠長なことがいえたものだ。 まりさ二等の班は、もう3匹しか生き残っておらず、まりさ二等、ありす二等、れいむ一等のみとなった。 A国上陸別地点。 れいむ伍長率いる班は、弾丸の雨から抜け出せずにいた。 彼女の班に新兵達も、がくがくと震えているだけだ。 使えない奴ぞろいだ、とれいむは思った。 「もうげんかいだぜ! まりさはいくぜ!」 「だめだよ! いまいったら――!!」 業を煮やしたまりさ新兵が制止を無視して雨の中を駆け抜ける。 だが、すぐに被弾して体から餡子が噴出した。 「ぎゅぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 悲鳴を上げてまりさはのた打ち回る。 れいむ伍長はそれを冷ややかな目で見た。 どうだ、命令違反をすればこうなるんだ。 「たいちょう! まりさをたすけてください!」 「まだいきてるよ!」 他の新兵たちは助ける事を要求する。 だが、れいむはそれを却下した。 「ばかなこといわないでね! みんないまたすけにいったらぜんめつだよ!」 「うるさいよ! ひとごろしのたいちょうはしね!」 ぐさり、とれいむの頬に槍が刺さる。 「ばがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! だれをねらっでるんだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 れいむの叫びを無視し、新平たちは上官を刺し殺した。 自分達ならやれるはずだ。 こんな無能な上官の言う事など聞いてられるか。 そう皆が思い、まりさの救出に向かった。 「まりさあああああ! たすけにきたよおおおおおおお!!」 「ゆぐひゅ……ぐひゅ……」 息も絶え絶えのまりさ新兵のもとへ、他の新兵達が集まる。 「だいじょうぶ?! いまたすけてあげびゅばがばっ!!!!」 笑顔で元気付けようとしていたれいむの顔が吹き飛ぶ。 残ったのは焼け焦げた匂いとれいむの下半身だけだった。 「れいむうううううううううう!!!」 「いそいではこぼうね! みんなはやく!」 急いで傷ついたまりさ新兵を抱きかかえ、海岸の岩陰に隠れようとする。 だが、ゆっくり一匹分を担いでいるゆっくりなど、ただの的だ。 「ゆ! あそこでのろまなやつがいるよ! ばかだね!」 敵まりさは新兵達を見つけてそこに機関銃を向ける。 「ばかなゆっくりたちはしね!」 そしてジャンプをした。 鉛の雨が新兵達を貫く。 「ゆがががががががががっががあがががげあがげあえげげあげ!!!!!」 「だずげばびょべばっ!!!」 「ゆ゛っぐじじぢゃぎゃっだびょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 こうして、仲間の命を優先した新兵たちは死に、任務遂行を第一に考えたゆっくり達は生き残った。 皮肉な事だが、これは戦争なのだ。 ■■■ 「我が国の海岸の離島が制圧されました!」 通信兵が上官に告げる。 もちろん人間だ。 「糞! ゴミクズ共め! 自分の国さえ守れんのか!」 それは間違っている。 ゆっくり戦争をする上での条約がある。 一、戦争にはゆっくりを使う。人間はサポートのみとする。 二、兵力は均等にする。もしこれを違えた場合は人間を実戦投入する。 三、使う武器も均等に、さらに平等にする。槍と機関銃、爆弾のみとする。 四、ゆっくりが人間を攻撃した場合、敵国であれど問答無用で射撃して良い。 つまり、ほぼ五分五分の戦いなのだ。 つまり、この戦争において重要なのは上官がいかに有能かということにゆだねられる。 もし突撃しか知らない上官が知識をもった上官に挑もうとすれば、当然知識を持った者が勝つのだ。 兵力の問題や兵器の問題ではない、指揮する人間に問題がある。 「離島はあとで取り戻す! 国境ラインに防御を固めろ! クズ共にわが国の恐ろしさを思い知らさせろ!」 A国国境ライン。 「いいか? 俺たちは空のタクシーだ。 塹壕まで連れてってやるから後は自分達で何とかしな!」 「ゆっ! わかったよ!」 ヘリに乗せられたゆっくり達は国境ラインぎりぎりに位置する場所に掘られた塹壕に降ろされる。 その時、鉄を叩いたような音が響いた。 ヘリに弾が当たった音だ。 「おい、ちょっとそれとってくれ」 パイロットの隣にいた兵士がゆっくりに銃を求めた。 素直にゆっくりはそれを兵士に渡す。 「人間様にたてついた糞饅頭はどこだぁっ!」 ロープを腰に巻きつけ、ヘリの足の部分に自分の足をかける。 そして国境ラインに近づき発砲した。 「ゆぎょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「ぶべいだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 ライフルの弾が機関銃を撃った敵まりさの体を貫いた。 餡子を撒き散らし、目玉が飛び出て死亡する。 「はっ! たいした力もないくせに……、おい! 帰ったら酒飲みに行くぞ! うんと高い奴飲んでやる!」 「はいはい……」 撃ち終わった兵士たちは基地へと帰っていった。 塹壕にいたゆっくり達はそれを見て勇気付けられる。 「てきはばかだからおにーさんたちにころされたんだね! ばかだね!」 そして皆が笑い出す。 だが、それも轟音で掻き消された。 機関銃が塹壕に向かって一斉射撃されたのだ。 対抗しようと塹壕の中にある機関銃を放つ。 そして皆槍を持ち突撃した。 相手の国も、ゆっくりが突撃してくる。 「ゆぎゃっ!」 「じにだぐだにいいいいいいいい!!」 悲鳴、怒号、狂喜。 幾多の言葉が戦場に鳴り響く。 それはまるで音楽だ。 「しねっ! しねっ! しね!」 あるまりさはもう死んでいるれいむの顔に何度も何度も槍を突き立てる。 「うふっ、うふふふふふふ! うふふあははははははは!!」 恐慌状態に陥ったれいむは笑いながら銃弾の雨を浴びる。 「まりざああああああ!! ずっぎりじようねええええええええええ!!!」 気が狂ってしまったありすは、ゆっくりの死骸に向かって体を摺り寄せる。 阿鼻叫喚の戦場の中、みな思い思いに死んで行く。 決して自分が安らぐ事も知らずに。 戦いが終わった後の自分達の行方も知らずに。 じじいのファックの方が気合あるおまけ。 某国の基地にて。 「隊長、それなんですか?」 「さぁな、だがこれで射的の練習をしろだとよ」 隊長(CV:大塚明夫)が奇妙な生き物を連れてきた。 ゆっくりれいむとか言うらしい。 「人を殺すのに抵抗がある新兵にはもってこいだって教官が言ってたな」 「そうですか」 「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!」 隊長の足元でぴょんぴょんと跳ね回る。 俺はそれを掴んだ。 「はなしてね! ゆっくりはなしてね!」 喚きだすそいつに俺はすこしだけ苛立った。 なんだか知らないがこいつはすごくむかつく。 「で、どうするんですかこいつ」 「まぁ見ていろ」 そう言って隊長はゆっくりを野に放した。 不思議なものを見るかのようにあたりを散策し始めるゆっくりれいむ。 犬だったら可愛いかもしれないが特にそうは思わなかった。 突然、隊長が銃を構える。 そして。 「ゆっぐりでぎだいよ! だずけてね!」 「少し照準がずれてるな……、ちゃんと整備しろといっただろ」 「すみません」 頭を掻いて俺は謝る。 れいむはなにがおきたのか分からず恐怖のために逃げ出している。 隊長は狙いを定めた。 「三ミリずれてると考えて……この辺か」 ぱん、と一発の銃声が鳴り響く。 「ゆ゛っ!」 丁度れいむの後頭部を直撃して体から黒い物体を飛び散らせた。 近寄ってみると、丁度額の真ん中に風穴が開いている。 さすが隊長である。 「どうだ! 頭に当たってるか!?」 遠くで隊長が聞く。 「はい! すごいですね隊長!」 俺は素直に賞賛した。 「悪いんだがその死体は教授のところに持っていってくれ!」 「あ、はい、わかりました!」 俺は死骸を持って研究室と書かれた部屋へ向かう。 なかにはやせ細った眼鏡金髪の男がいた。 これが教授(CV:子安武人)である。 「おやおやさっそくゆっくりれいむで試し撃ちですかな? クークック」 この笑い方が癪に障るがとにかく死骸を渡した。 「これ、なんですか?」 そう聞くと教授は眼鏡を輝かせ俺にどアップで近づく。 「聞いて驚いてくれたまえ! これこそ我が生涯で最高傑作! 知能を持った饅頭なのだ!」 教授はくるくる回転しながら笑い出す。 そうとうマッドだ。 中の人もそうなので仕方ないが。 「はぁ、そうですか」 再びキラリと眼鏡が光る。 俺はそれを見て少し引く。 「きみぃ、わかっていないようだね? このまんじゅうのおもしろさを?」 「い、いえ……決してそんなこと――」 「ならば教えてあげよう! ゆっくりはもっとも人間に近づける事ができた生物なのである! チンパンジーやオランウータンなどではできなかった言語を喋る生き物!」 ぽちっとどこぞに仕掛けてあったボタンを押す。 床が割れて鉄板が現れ、うえからは透明なケースに入れられたゆっくりが現れる。 だが、さっきのとは違う黒い帽子をかぶった奴だった。 「おじさん! ここからだしてね!」 さっきのれいむと違う、普通に人間の言葉を喋っていた。 「これぞまさしく究極的に人間に近づいたゆっくりまりさである!」 「どこらへんがですか?」 「ふふん、良くぞ聞いてくれたよきみぃ。 ゆっくり! 仲間の居場所を吐けば助けてやるぞ!」 そう言うとまりさは体を膨らませた。 「いやだよ! そんなことできないよ!」 「ほほう、ではこんなことでも?」 ボタンを押すと水が流れ鉄板の上に流れる。 だが、一瞬にしてそれは湯気となった。 そこへまりさが落とされる。 「あじゅい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!! ゆっぐりでぎないよおおおおおおおおおおお!!!!」 悲鳴を上げるまりさ。 やかましいので少し耳を塞ぐ。 「これって動物虐待にならないんですかね?」 「問題ないのだよ、実はゆっくりはまだ動物としても認められていないからねぇ」 くいくいと教授は眼鏡を直す。 この程度だったら俺はまだ吐かないかな。 「いぎいいいいいいいいい!! あづいいいいいいだずげで! ゆっぐりざぜでよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 「気になったんですがゆっくりするって何ですか?」 「そこっ! そこ重要なのだよきみぃ! この饅頭たちにとってゆっくりするということは自分の思い通りに事が進み、かつ欲求が満たされる事こそがゆっくりということ! つまりっ! 人間の本能と同じ作りになっているのだああああああああ!!」 やかましいので耳をさらにふさぐ。 なるほど、つまりゆっくりは本能のままに生きているというわけか。 「だが悲しい事に人間には理性というものがある、理性を保って生活している人間にとって本能だけで生きているゆっくり達とは相容れないものなんだ」 急に真面目な口調になり俺は吃驚した。 「いいまず! だがらだずげでぐだざいいいいいいいいいいい!! おねがいでずううううううう!!」 ついにだめになったのかまりさは助けを求めてきた。 自分のために仲間を売るとは、軍法会議ものだな。 「クークック、んじゃお前は元のところへー、ぽちっと」 ボタンを押してまりさはケースに回収される。 底辺が火傷して動けなくなったまりさは頬がグチャグチャになるまで泣いていた。 「どうだねぇ? 興味が沸いてきただろうぅ? ぜひまた私のところに来てくれたまえ! いま私は論文を書かなければならないのでね!」 そう言って追い出された。 なんだったのだ、あの人は。 訓練所に戻された俺は愕然とする。 的がすべてゆっくりになっていた。 しかもそれを兵士達が嬉々として撃ち殺している。 俺はめまいがしながらも、銃を手に取った。 あとがき おまけが本番だった。 所詮ゆっくりなんて戦争の道具か的が関の山だろ、な? ごめんこ。 パチュリーの名前はよく間違えるんだ、勘弁してくれ このアフォが書いた作品。 霊夢の怒らせ方 ゆっくりデッドライジング1~3 霊夢のバイト 慧音先生とゆっくり ゆっくりCUBE ゆっくりと男 虐待おねーさん 紫饅頭にクイズ出せば自滅してくれる 昔の遊び 書いた少尉(なんかのゲームで少尉止まり):神社バイト このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/816.html
山の中をゆっくりと歩く。 普段からこの近辺の里の人間はこの山の恩恵を預かっている。 その山にゆっくりの群れが移住してきたというので私がそれを確かめに行く事になった。 山の中を歩いていると程なく目的の物体を見つけた。 言うまでもない、ゆっくりだ。 「ゆ~♪みてまりさ!ここにはごはんがいっぱいあるよ!!」 「本当だねれいむ!ここはゆっくりできるね!」 オーソドックスなペアの饅頭を見つけると私は話しかけた。 「やあこんにちは。ゆっくりしているかい?」 「「ゆ!ゆっくりしていってね!!」」 こちらに気づいてお決まりの挨拶を返した 「おじさんもゆっくりしていってね!」 「おじさんはゆっくりできるひと?」 まだ対して山に踏み入っていないのに見つかるとは……思ったよりも人里の近くに住み着いたんだろうか。 「ああ、ゆっくりできるよ。ほら、これをやろう」 そういって私は持っていた袋の中からお菓子を渡してやる。 「「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~!!」」 よし、食ったな……。 「「おじさんありがとう!もっとお菓子をちょうだいね!!」」 さてと、目的を果たさないとな 「ああ、もっとあげよう、ただその前にちょっと聞いていいかい?」 「「ゆ!ゆっくりきかせてね!!」」 私は質問を続けた。 「君たちの群れのリーダーに会わせてくれないかい?」 「りーだー?ねえまりさどうしよう?」 「ゆ!だいじょうぶだよれいむ!このおにいさんはゆっくりできるひとだよ!」 「わかったよまりさ!ゆっくりつれていこうね!」 「「ゆっくりついてきてね!!」」 そういってゆっくりたちは私を案内する様に跳ねていった。 よし、まずは成功と。 少しの間歩くと、開けた草原にたどり着いた。 ここは里から来た時に休憩に使ったりする人も多い場所だ。 今は山に立ち入る時期でもないから人の姿を見る事はない。 その代わりに、大量のゆっくりがゆっくりとしていた 数が多いな……。 「「ゆ!ついたよ!!ゆっくりおかしをちょうだいね!!」」 全くこの饅頭、もう約束を忘れているな。 「その前にリーダーを連れてきてね。そうすれば皆にもお菓子をあげるよ」 そんな問答をしていると、突然目の前に鈍い音を共に巨大な何かが降ってきた。ふむ、これは…… 「「「どすまりさだーー!!」」」 ゆっくりの群れってのはドスが登場する時は必ずこう言うのであろうか?まあどうでもいいが とつぜんのドスの登場に群れのゆっくり達も集まってきていた。 「ゆ!人間がなんの用なの!ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!!」 そう言って威嚇している。 「ゆゆ!ちがうんだよどす!!」 「そうだよ!このおにいさんはゆっくりできるひとだよ!!」 「ゆ?どういうことなの?」 そうドスが聞き返したので代わりに答える。 「いやなに、最近ここらにゆっくりが住み着いたっていうからね、これはお近づきの印だよ」 そう言うと私は持っていた袋を逆さまにして中身をぶちまけた。 あふれ出るお菓子の山に集まっていたゆっくり達は呆然としていた。 「ゆ?ゆゆ??」 「おかしだ!ゆっくりできるよ!!」 「でもにんげんのもってきたものだよ!たべたらゆっくりできなくなるかもしれないよ!!」 「ゆ~でもおいしそうだよ!!」 「おか~しゃんゆっきゅりちゃべたいよ!!」 突然の出来事にゆっくり達がざわめく。ここで一斉に群がらなかったのは意外ではあった。 「ドスまりさ、私は別にお前達をどうこうしようと思ってきたわけじゃない。ちょっと聞きたいことがあるんだ」 とつぜん食べ物をくれる人間に正直戸惑いを隠せないドスまりさだが 食べ物が増えるのは正直望ましい。 「だいじょうぶだよどす!」 「さっきまりさたちもたべたけどゆっくりできたよ!」 その言葉が決定打になったのか、ドスまりさは私のほうに向かって口を開いた。 「分かったよ!人間さんはゆっくりできそうだね!皆!食べてもいいよ!!」 その言葉を皮切りに、群れ全体がお菓子の山に向かって殺到していった。 ゆっくり達の群がる山から聞こえるしあわせ~の連呼。 それを尻目に私はドスまりさに質問を始めた。 「じゃあ聞きたいんだがドスまりさ。お前達はなんでここに移住していきたんだ?」 「前に済んでいたお山さんがゆっくりできなくなっちゃんだんだよ!!」 「ふむ…それは何でだ?」 「皆でゆっくりしようと食べ物を集めていたんだけど、虫さん達やお花さんたちがいなくなっちゃったんだよ!!」 「なるほど、それでここに来たのか」 そこまで聞いて私は話す内容を変えることにした。 「ところでドスまりさ。お前はいっぱいリボンがついているな」 「そうだよ!皆が自分の命よりも大事なおリボンをつけてくれたんだよ!!」 そういって誇らしげに胸(?)を張った。 「そのリボンはこの群れのゆっくりたちのなのかい?」 「そうだよ!それだけ皆に信用されているんだよ!!」 「ふぅむ。なあドスまりさ、それは群れの皆のリボンなんだよな?」 「そうだよ!さっきも言ったでしょ!!」 ……こいつは気づいていないのか? 「じゃあドスまりさ。なんでここのゆっくり達はお前にリボンを預けているのに、リボン無しのゆっくりがいないんだ?」 「……ゆ?…ゆゆゆ!??」 ここまで言われてやっと気づいたらしい、この群れには飾りのないゆっくりが一匹もいない事に。 「どゔい゙ゔごどな゙の゙ーーーー!!!??」 その言葉を聞いて一匹のゆっくりれいむがドスに近づいてきた、このタイミングで来たってことはサブリーダーか何かかな? 「どうしたのどす!ゆっくりしようよ!」 「れ゙い゙む゙!!ごの゙り゙ぼん゙ばど゙ごがら゙もっ゙でぎだの゙ーーー!!? その一言で察したのか、ゆっくりれいむは慌てた様子だった。 「ちがうんだよどす!これはどすがよろこぶとおもってみんなでやったんだよ!!」 「ゆ゙ゔゔゔ!!?どゔじでぞん゙な゙ごどずる゙の゙!??」 尚も言い募るれいむだが横槍を入れてやる 「あーあ。可愛そうにな、そのリボンのゆっくりたちは今頃全然ゆっくりできなくなっているだなあー」 「ゆ゙ゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔ!!!??」 ドスまりさはショックで叫んでいる。さて少し様子をを見るか。ちょうど騒ぎを聞きつけたゆっくり達が固唾を呑んでいる。 ……しばらくたって叫び続けていたドスまりさがいきなり黙った。落ち着いたようだ。 さて、どうでるかな。 「ゆうう……。仕方ないね!おリボンを取られたゆっくりは可哀想だけど皆でゆっくりしようね!!」 ふむ……それがお前の答えか、ドスまりさ。 その答えを聞いたゆっくり達は安心したかのようだった。 「そうだよ!しかたないよ!」 「どすにつけるからっていったのにいやがったゆっくりたちがわるいんだよ!」 「れいむたちのリボンはあげちゃうとゆっくりできなくなるからそうしたんだよ!しかたないよね!!」 次々と言い出すゆっくりたち。 さて、じゃあ最後の仕事にかかるかな…。 「ふーん。まあいいや、ところでドスまりさ。ちょっとこっちを見てくれ」 「ゆ?ゆっくり見るよお兄さん」 そういって素直にこちらを見つめるドスまりさに 私は隠し持っていたものをゆっくりを突きつけた。 「ゆゆ?お兄さんそれは何?」 そう言ったドスまりさの声と、突きつけられたものから出た轟音は同時だった。 「ゆ゙っぎ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙っ゙ぃ゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い」 「「「「「「どずま゙り゙ざがあ゙あ゙あ゙あ」」」」」」 轟音の後には片目から大量の餡子を流して悶えるドスまりさと、それを見て混乱に陥ったゆっくりの群れだった。 別にたいしたことはしていない、ただ隠し持っていた猟銃をほぼ零距離でドスまりさの目に向かって撃っただけだ。 いくら硬い皮だといっても目は別だ、至近距離で当てれば目を突き破り中まで弾丸で抉られる。 変わったところといえばその猟銃は隠しやすいように銃身を切り詰めてあるのと、中に入っているのが対巨大ゆっくり用の 弾丸である所くらいだ。その弾丸はゆっくりの体内で反応を起こしてゆっくりの餡子をどろどろにしてしまう。 即効性が高く即巨大ゆっくりを行動できなくして、じわじわと死に至らしめる。 この弾丸、試してはいないが実はドスまりさの皮に当たっても体内にめり込んでくれるらしいので、当たりさえすればいいらしいが わざわざ目に撃ち込んだのこの方が苦しいからというのと、弾丸を撃ち込むゆっくりは大体気に食わないというだけだ。 普通ならば銃を突きつける前にドスまりさに警戒されるようなものだが、前もってお菓子を与えた事と話をしたことで ワンクッション置いてから、握手をするように銃を突きつけたことがドスまりさの判断を鈍らせることになった。 「さてドスまりさ、お前に言っておくことがある」 「ゆ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙」 身悶えているがこちらを睨んでいる事から聞こえてはいるだろう。 「お前は前いた山から食べ物が消えたといったな?それは間違いだ。お前達が後の事を考えずに取りすぎた結果だ」 「ゆ゙……だっ゙でだべも゙の゙な゙い゙どみ゙ん゙な゙ゆ゙っ゙ぐり゙でぎな゙い゙でじょ゙よ゙お゙お゙!!」 「それも間違いだ。お前が群れを考えなしに肥大化させずに管理していれば、その山はそんな事にはならなかった」 さらに私は続ける 「そしてお前は自分のリボンは他のゆっくりを犠牲にしたものであるにも分かったのに外さなかった。自分の群れの事しか考えられない お前達はこの山を食い尽くし、その後は近くの人里にも襲い掛かるだろう。そんな群れはここに置くわけにはいかない」 まあ他にも言いたいことはあるが大まかにはこんなものだ。 「ぞん゙な゙ごどじな゙い゙よ゙お゙お゙お゙お!!!!」 弾丸の毒が効いて動けないドスまりさが叫ぶ。 叫びながら餡子を口から大量に吐き出した。あ、なんか幻覚とかドスパークとかに使うキノコも一緒に出てる。 これで完全に危険は無くなったな。まあどのみち後は死ぬだけだが。 「お前がどう思おうと別にそれはどうでもいいんだ。問題はお前達はいずれはそうするから駆除するって事だけさ」 そう言いながら、私は用が済んだので帰り支度をする。 そうしている私の周りをゆっくり達が取り囲んだ。 「よ゙ぐも゙どずを゙ごろ゙じだな゙!お゙ま゙え゙ばゆ゙っ゙ぐり゙じね゙!!」 「「「「「「「ゆ゙っ゙ぐり゙じね゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙!!!」」」」」」」 そう言って群れ全体が波のように私になだれ込んできた。 もうドスは死亡認定かよ。 ここで反省すれば死なずに済んだかもしれないのに…。 そう思っていると私を囲んで突進してきたゆっくり達が私にたどり着く前に突進する勢いのまま倒れ込んでいった。 「ゆ゙ゔ!!ぐる゙じい゙よ゙お゙お゙お゙!!」 「どゔじでえ゙え゙え゙え゙え゙!!」 「ゆ゙ぎゅゔゔゔゔぐる゙ぢい゙よ゙お゙お゙お゙お゙お゙゙!!!!」 まあさっきあげた菓子にも当然一服盛ってある。 これも特殊なものでゆっくりのみに反応する毒らしい。 食べても普通に生活する分には問題は無いが、殺意を持った攻撃を仕掛けたりする位興奮すると反応するらしい。 それにしてもこれをくれたあの鬼意山…一体どうやってこんなものを。 そう思いながら私はゆっくりと苦しみながら壊滅するしかない群れを後にした。 私のする事はたいしたことではない。新しく来たゆっくりの群れがそこにいても大丈夫なものかを判別するだけだ。 山の生態系を再起不能なまで壊さないか、人間に害が無いかぐらいを確かめて、大丈夫ならば何もしない。 どんな群れでもとりあえず毒入りの菓子は渡しておく。 群れが心変わりした時の為の、言わば保険だ。 毒の効き目は一世代のみらしいので次の世代のゆっくりや新しく群れに加わったゆっくりがゲスだったりしたら あまり意味は無いが他の問題は別に対処する鬼意山がいるので私の考えることではない。 あくまでも私のすることは住み着いた時点のゆっくりの査定だけだ。 最近はドスのふりをした巨大ゲスゆっくりとかもいるらしいし、案外今回もそうだったかもしれないなあ。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/588.html
「厳しいゆっくり」 そのゆっくり一家の様子は、普通とは何かが違っていた。 一家を率いるのはバレーボールサイズのゆっくりまりさ。そこは何もおかしくない。 ついていくのはゆっくりまりさとゆっくりれいむ。数は大体半々ぐらい。そこもおかしくない。 普通とは何が違うのか…その違いは、話しかけてみて始めて分かった。 「ゆっくりしていってね!!」 ゆっくりの本能を深く揺さぶる、僕の一声。 普通なら、この言葉に反応しないわけがなかった。ところが… 「……ゆっ!」「…ゆ!」 子供たちは皆、少し声を漏らしただけ。 何か言いたげな顔はしているが、『ゆっくりしていってね!!』という元気な返事は返ってこなかった。 「おにーさん!!まりさたちはほかのばしょでゆっくりするからね!! なにもようがないなら、まりさたちはもうゆっくりいくよ!!」 先頭に立っている母まりさが、僕に向かって言ってくる。 こいつからも元気な返事はない。おかしいな…こいつら病気なのか? 試しに、もうちょっと揺さぶってみるか。 「まりさ、どこに行くのか知らないが、お兄さんはもっとゆっくり出来る場所を知ってるよ」 「ゆ!?そうなの!?ゆっくりちゅれていってね!!」「れいむもゆっくりしたいよ!!」 もう我慢できない、と言わんばかりに子ゆっくりたちが口を開いた。 そうそう、それが普通の反応である。だが、母まりさは普通ではなかった。 「ゆ!!そんなこというとゆっくりできないよ!!」 「ゆ゛!!」「びゃっ!!」 何も悪いことをしていないのに、母まりさに突き飛ばされた子ゆっくりたち。 転がるほどの勢いも、皮が破れるほどの破壊力もない、ただ痛いだけの攻撃だった。 子供たちは涙目で何かを無言で訴えてくるが、僕にも母まりさにも…何も伝わらない。 「おにーさん!!わるいけどまりさたちはゆっくりいそいでるからね!!じゃましないでね!!」 そう言い放つと、母まりさはとっとと先へ進んでいってしまった。 子供たちだけが、僕を名残惜しそうに見上げていたが… 「…ゆっくりしすぎだよ!!」 母の一言で、子供たちは飛び上がるようにして母の後を追いかけていった。 あの母まりさ、どう考えても普通じゃない。 『ゆっくりしていってね!!』『もっとゆっくり出来る場所がある』という二つの言葉。 ゆっくりの本能を最も刺激するはずの言葉に、母まりさは釣られなかった。 突然変異なのか、それとも病気なのか… 「こいつは面白そうだな…」 どちらにしても、この面白そうなネタを放っておくわけにはいかない。 僕は先ほどの一家をゆっくり追いかけることにした。 一家の巣はすぐに見つかった。木の根元に、精妙にカムフラージュされた大きな穴だ。 決して大きな穴ではないが、母まりさ+数匹の子ゆっくりなら十分な広さだろう。 僕は静かに巣穴に近づいて、隙間から中を覗いてみた。 「にんげんにはなしかけられても、しゃべっちゃだめっていったよね!!」 「ゆびゃああああぁぁl!!」 「みんな、おかーさんとのやくそくやぶってしゃべっちゃったよね!!」 「ぎゅべぇおおおおお!!」 「やくそくをやぶったわるいこはゆっくりできないよ!!おしおきだよ!!」 「あぎゅあああぁっぁ!!!」 合計5匹の子ゆっくりが一列に並んでいる。 よく見れば子ゆっくりというより、赤ちゃんゆっくりぐらいの大きさだ。 母まりさは、何か言葉を発するごとに子ゆっくりに一匹ずつ体当たりを食らわせる。 その勢いは母まりさの怒りに比例して強くなり…最後に体当たりされた子れいむは、壁にぶつかると口から 餡子を大量に吐き出してしまった。 ゆっくりにとって、命の源である餡子を吐き出すことは一大事だ。 処置を怠れば、死に至ることだってある。それは子ゆっくりもよく知っていた。 「うぶっ!!ゆべえええぇっぇぇえ゛え゛え゛ぇぇぇあ゛あ゛あ゛ぃ!!!!」 「ゆゆ!!おかーさん!!れいむが!!れいむがゆっきゅりできなくなっちゃうよ!!」 「ゆっくりたしゅけてあげてね!!ゆっくりなおしてあげてね!!」 周りの子ゆっくりたちが、必死に母親に助けを求める。 だが、母まりさは鼻で笑いつつこう言い返した。 「ふん!やくそくをまもれないバカなこは、ずっとそうしてゆっくりしてればいいよ!! みんなもやくそくやぶるとこうなっちゃうからね!!ゆっくりりかいしてね!!」 自分の仕事を成し遂げたと思っているのか、母まりさの顔は満足げだ。 それに対して、子ゆっくりたちの表情は完全に沈んでしまっている。 「子供を虐めるなんて…酷い母親だなぁ」 僕はくすくすと笑いながら、そのまま様子を観察し続けた。 母が食料を取りに出かけた後、しばらくして先ほど餡子を吐いた子れいむが目を覚ました。 「ゆ…ゆううぅぅ……!」 「ゆ!ゆっくりおきてね!!」「ゆっくりしていってね!!」 周りで見守っていた子ゆっくりたちが喜びの声を上げる。 気絶していた子れいむは特に外傷はないらしく、次第に元気を取り戻してゆっくりし始めた。 僕は母まりさがいなくなった今しかないと思い、巣穴に首を突っ込んだ。 「やあ!ゆっくりしていってね!!」 「ゆ?ゆっくりしていってね!!」 今度は5匹の子ゆっくり全員が応えてくれた。 やっぱり、普通じゃなかったのはあの母まりさに原因がありそうだ。 「さっきのおにーさん!!どうしたの!?」 「ここはれいむたちのおうちだよ!!ここでゆっくりすると、おかーしゃんにおこられちゃうよ!!」 怒られるというのは…たぶん“やくそく”のことだろう。 先ほどの様子からしてこの子ゆっくりたちは、母まりさと幾つか約束を交わしているらしい。 それらを破ると、先ほどのように罰を受ける…命に関わりかねない罰を。 つくづく理不尽な母親である。自分の都合を押し付けて、破ったら虐待だなんて。 「大丈夫だよ。すぐに出て行くからね。それより、皆に美味しい食べ物を持ってきたよ」 「ゆ!?たべもの!!ほちいよ!!ゆっくりちょうだい!!」「ちょうだいちょうだい!!」 クッキーを放り込んでやると、5匹の子ゆっくりは一斉に群がって貪り始めた。 母との約束という重圧を忘れた5匹は、本能に忠実な普通のゆっくりだった。 「ゆはっ!!うっめ!!めっちゃうっめ!!」「むーしゃむーしゃ!!しあわせー♪」 「じゃあお兄さんはもう行くからね。みんなはゆっくりしていってね!!」 って、食べ物に夢中だからたぶん聞こえてないな。 僕は食事を邪魔しないよう、追加のクッキーを数十枚放り込んで、静かにその場から立ち去った。 後ろからは、クッキーを貪り食う子ゆっくりの下品な声が聞こえてくる。 母まりさが帰ってくる頃に戻ってきて、“あれ”を実行することにしよう。 帰ってきた母まりさは、巣の中の様子に驚愕した。 一面を埋め尽くす見慣れぬ食べ物。それを美味しそうに食べている5匹の子供たち。 「ゆ!おかーしゃんおかえりなさい!!」「みんなでゆっくりしようね!!」 口の周りに食べかすをつけた子供たちが、出迎えの挨拶をする。 だが、母まりさはそれに応えない。 「これはだれからもらったの!?ゆっくりせつめいしてね!!」 母まりさの疑問は当然のものだった。子供たちが自力で食料を集められるわけがない。 しかも、5匹が食べきれないほどの量だ。母まりさだって、これだけの量を集めるのには2週間はかかる。 つまり当然の結論…『この食べ物は、誰かからもらった』 「ゆ……と、ともだちのまりさにもらったんだよ!!」「そ、そうだよ!!」 「うそをつかないでね!!にんげんからもらったにきまってるよ!!」 「ゆ゛!?」 母が真相を口にした瞬間、子供たちは固まってしまった。 “恐怖”…生まれたときから植えつけられてきた感情、たった一つに縛り付けられて。 約束を破ったことが母にバレた…その次に待っているのは、無慈悲な“罰”であることを知っているから。 横一列に、背を壁に向けて並べられた子供たち。 自分達のこれからを想像して、がたがたと震えている。 されることはいつもと同じ。だが、未だにその痛みに慣れることが出来ない。 「やくそくをやぶったらゆっくりできないよ!!」 「ゆぎゃああ゛あ゛ぁぁ!!」 「やくそくやぶるこは、おかーさんのこどもじゃないよ!!」 「ごみんあじゃあぁぁぁい゛い゛!!」 「にんげんとはゆっくりできないよ!!ゆっくりおぼえてね!!」 「もうゆるじでええぇぇぇぇえ゛!!」 「にんげんはわるいものだよ!!ぜったいゆっくりしちゃだめだよ!!」 「うがやおああおおおおぉおぉぉ!!」 壁と母まりさの身体で挟み撃ちにされる度に、悲痛な叫びを上げる子ゆっくりたち。 何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も。 繰り返し繰り返し、母まりさは5匹の子ゆっくりに順番に体当たりする。 『人間とはゆっくりできない』『人間と一緒にゆっくりしたら二度とゆっくりできなくなる』 全ては理解してもらうため。このことを理解して、覚えてもらうためだ。 自分は母に人間の危険性を教えてもらっても、すぐに忘れてしまった。 そして人間についていったばっかりに、友達を皆食べられてしまった…そんな自分の二の舞にならないように。 子供たちには忘れて欲しくない。ずっと覚えていて欲しい。だってそうしないとゆっくりできないのだから。 「がまんしてね!!がまんしてゆっくりできるこになってね!!」 「げりょうあおあおあおあおああああああ!!!」 母まりさは、何度も何度も、子ゆっくりたちに伝わることを願って…体当たりを続けた。 昼になって、例の巣に戻ってきて見ると…巣の中では再び虐待が行われていた。 母まりさが子ゆっくりに体当たりするたびに、張り裂けんばかりの悲鳴が僕の耳を突く。 「うぎゃあ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁ!!!」 「ぎゅええええべべべべええ!!!」 「あばばばばあああああぁぁぁぁあ!!」 何故だか分からないが、母まりさは相当怒っているらしい。 母まりさの言葉は乱れすぎていて何と言っているか聞き取れないが…かなりノリノリである。 待てど暮らせど、虐待の嵐はなかなか止まない…痺れを切らした僕は、釣り針を握るとそっと巣の中に手を 突っ込んだ。 「……よし」 虐待に夢中になっている母まりさは、自分の帽子に釣り針が刺さったことに気づいていない。 子ゆっくりたちも、すっかり怯えきってしまって周りの様子など目に入っていなかった。 僕は、糸を思いっきり引っ張った。それに従って、母まりさの帽子が脱げて瞬く間に巣の外へ飛んでいく。 「ゆ!!まりさのぼうし!!ゆっくりまってね!!」 即座に異変に気づいた母まりさは、帽子を追って巣の外へ。 終わりなき虐待から開放された子ゆっくりたちも、安堵の表情を浮かべながら恐る恐るついてくる。 「おにーさん!!それはまりさのぼうしだよ!!ゆっくりかえしてね!!」 糸にぶら下がった帽子をぶらぶら振り回す僕。 まりさは必死にジャンプしてそれを口で咥え取ろうとするが、ぎりぎり届かない高さに調節しているので、 どんなに頑張っても…帽子まで後一歩、というところで勢いを失ってしまう。 「ゆぎゅうううぅぅぅ!!ゆっぐりがえじでね゛!!がえざないどゆっぐりざぜであげないよ゛!!」 「あっそう、じゃあ返してあげるよ、ほーれほーれ♪」 上から目線で物を言う母まりさを、僕は満面の笑みでおちょくる。 ぶんぶん振り回される帽子を目で追いながら、あんぐりと口を開けて狙いを済まして… 命と同じくらい大事な帽子を奪い返そうと、必死にピョンピョン跳ね続けている。 「うぎゅうううぅぅぅ!!!いじわるしないでね゛!!ゆっくりがえじでね!!」 ふと、巣の入り口近くにいる子ゆっくりたちに視線を移す。 さっきからじっとこっちを見ているが…母を応援する声は聞こえてこない。 普通の一家なら、『おかーさんがんばってねぇ!!』とか、『おにーさんとはゆっくりできないよ!』の 一言ぐらいあるものだが… つまり、そういうこと。子ゆっくりたちにとって、母まりさは“そういう”存在なのだ。 「お母さんまりさにひとつ提案だよ。子供の帽子かリボンを持ってきたら、この帽子と交換してあげる」 「ゆ!?」 果たして口車に乗って、子供の髪飾りの強奪に乗り出すかどうか… 僕にとっては一種の賭けだったのだが…どうやら僕の勝ちだったようだ。 母まりさは目の色を変えて、巣の入り口に集まっている子ゆっくりたちに襲い掛かった。 「ゆっくりにげないでね!!おかーさんにぼうしとりぼんをちょうだいね!!」 「おがーざんごっじごないでえ゛え゛ぇぇぇ!!!」 「ぞんなごどずるおがーじゃんどはゆっぐりでぎない゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」 子ゆっくりにとっても、帽子やリボンは大事なものだ。簡単に取られるわけがない。 母まりさに捕まらぬよう、子ゆっくりたちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。 「ゆっくりつかまってね!!にげるこはゆっくりできなくなっちゃうよ!!」 「やだあああぁぁぁぁ!!!づがまるどゆっぐりでぎないよ゛!!」 「おがーざんやめでね゛!!ゆっぐりごっぢにごないでね゛!!」 母と子には体格差があると言っても、命と等価のモノがかかっているこの状況では、子供たちはなかな捕まらない。 実のところ、先ほどのクッキーにはゆっくりの運動能力をちょっとだけ強化する薬物が入っていたのだが… 母まりさも、当の子ゆっくりたちもそのことにはまったく気づいていない。 「おがーざんにぼうしどりぼんちょうだい!!そうすればみんなでゆっぐりでぎるよ゛!!」 なかなか追いつかないので、目に涙を浮かべながら子供を説得しようとする。 しかし、そんな言葉で釣られるほど子ゆっくりは愚かではなかった。 「おがーざんうそづいでるよ!!うそづくおがーじゃんどはゆっぐりでぎないよ゛!!」 「ゆっぐりついてこないでね゛!!ゆっくりどっかいってね゛!!」 「ゆぐぐぐぐぐ…どうじでぞんなごどいうの゛!!ゆっぐりでぎなぐなっでもしらないよ゛!!」 まだまだ子ゆっくりたちには追いつきそうにない母まりさ。 僕は母まりさにもっと必死になってもらうために、ライターで母まりさの帽子に火をつけた。 ボオォッ!! 何の素材で出来ているのかわからないが、本当によく燃える。 「ゆぎゃああああーーー!!!まりさのぼうしもやざないでえ゛え゛え゛ぇぇぇ!!!」 子ゆっくりを追いかけるのを止めて、燃え上がる自分の帽子目掛けて飛びついてくる母まりさ。 だが、僕がうまく糸を動かして帽子をひょいっと遠ざけたので、母まりさはそのまま地面に激突した。 「ゆぶっ!!やめでね゛!!まりざのぼうじもやざないで!!はやぐひをげしでよお゛お゛お゛ぉぉぉ!!!」 「まぁまぁ焦るなって。結構綺麗に燃えてるじゃないか」 地面に顔から落ちて身悶えている隙に、母まりさの髪を釘に結び付けて地面に打ちつけた。 これで母まりさは、ほとんど身動きが取れなくなった。 「ひをげしで!!うぶゅ!!いだい゛!!いだいよ゛!!がみがひっばられでるううぅぅぅぅ!!!」 帽子を燃やされている悔しさと、髪を引っ張られる痛みで…母まりさの顔は涙でボロボロになる。 痛みにのたうち回ろうとすればさらに痛みが襲うので、下手に動けない状況だ。 それでも母まりさは、何度も何度も助けを求める叫び声をあげた。 「まりさをだずげでぇ!!ごのままじゃゆっぐりでぎなぐなる゛!!」 「おねがいだがら!!ごっがらはなぢでえええぇぇえ!!!あだまがいだいいいいぃぃぃい!!!」 「ぼうじ!!まりざのぼうし!!もやざないでよ゛ぅ!!」 「……らんぼうするおかーしゃんは、ずっとそこでゆっくりしてればいいよ!!」 突然、一匹の子れいむが震えながら力いっぱい言い放った。 するとそれに続いて、次々と子ゆっくりたちが母まりさに罵詈雑言を浴びせる。 痛めつけられる母まりさの姿を見て、子ゆっくりたちの心境に変化が生じたのだろう。 母まりさが動けないことに気づいた、というのもあるだろうが。 「そうだそうだ!!おかーしゃんのぼうしなんか、ゆっくりもえちゃえばいいよ!!」 「おかーさんはずっとそこでゆっくりしててね!!こっちにこないでね!!」 「ばかなおかーさんはゆっくりしねばいいよ!!」 「いや゛ああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!ひどいごどいわないでえ゛え゛え゛ええぇぇぇぇえぇえぇ!!!!」 次々に打ち明けられる子ゆっくりたちの本音が、母まりさの心を深く抉る。 今まで母まりさに虐待され続けてきた子ゆっくりの鬱憤が……ここで爆発した。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「らんぼうもののおかーさんはゆっくりしね!!」 「れいむたちにいたいことしたよね!!だからおかーさんにもいたいことしゅるよ!!」 身動きの取れない母まりさを取り囲んだ5匹は、怒りを爆発させながら集団リンチを始めた。 つい数分前まで母の虐待に怯えていた子ゆっくり…僕がちょっと手伝ってやっただけで、立場は逆転した。 「いだっ!!いだいよ゛!!ゆっぐりやめでね゛!!やめだらゆっぐりさせてあげるよ゛!!」 「うるさいよ゛!!おかーさんのいうごとなんか、もうきかないよ゛!!」 「おかーさんのせいでいままでゆっくりできなかったよ!!ゆっくりしんでいってね!!」 一体どれだけの間、母まりさに虐待されてきたのだろうか…その間に溜めてきたストレスは相当のものらしい。 容赦ない体当たりが、母まりさの身体を深く傷つけていく。 ところどころ餡子が漏れ出し、さらに傷は広がって痛みを誘発させる。 「あぎゃああああああっぁぁぁあぁ!!やめでやめでやめでやめでやめでやめでやめで!!!! じぬ゛ぅ!!じんじゃう゛!!ごのままじゃじんじゃう゛!!おねがいだがらやめでよおおおおぉぉぉ!!」 母まりさの悲鳴を完全に無視し、リンチを続ける子ゆっくりたち。 僕はそんな子ゆっくりたちに優しく話しかけた。 「そろそろ疲れてこない?お母さんの帽子が燃えてるのを見ながら、ゆっくり休憩しなよ」 「ゆ!そうだね!!ゆっくりつかれてきたよ!!」 「ゆっくりやすもうね!!みんなでゆっくりしようね!!」 「おにーさんあたまいいね!!おかーさんとはおおちがいだよ!!」 そんなことを言いながら、母まりさから離れていく。 取り残された母まりさの姿は…それはもう酷いものだった。 「ゆぶ……どぼぢで…?……まりざはっ…みんなのだめにっ…!!」 目玉は片方が抉られ、口は不細工に引き裂かれ、頬も深く噛み千切られている。 まだ生きているが…このまま餡子を漏らし続ければ、命が尽きるのは時間の問題だ。 「ゆー!きれいだね!!」「ほのおってきれい!!」「ゆっきゅりー!!」 「もえろもえろー♪」「ゆっくりもえろー♪」 炎をあげて燃える母まりさの帽子。それを見つめる子ゆっくりたちの目は輝いている。 やっと母まりさの圧制から解放される。明日からは自由にゆっくり出来る。 掴み取った明るい未来を見据えた…そんな目だ。 僕は糸を木の枝に固定して子ゆっくりたちから離れると、そっと母まりさに近づいた。 「やぁ、気分はどうだい」 「うぎゅ…だじゅげで……ゆっぐりでぎな…いよ…!!」 「でも、子供たちは今までゆっくり出来てなかったんだよ。お母さんである君が虐めていたせいでね」 「うぞだよ!……まりじゃは!…まりじゃは……みんな゛のっ…ために゛…!」 まだ悪あがきを続けている。うねうねと動く母まりさの頬の皮が気持ち悪い。 「みんなのために……ねぇ」 僕はため息をつきながら振り向いて、子ゆっくりたちに声をかけた。 子供たちは糸にぶら下がった帽子が燃えているのを、まだ楽しそうに見物している。 「なぁみんな!!このお母さんどうする?助けてあげる?」 「ゆ?そんなのほっといていいよ!!それよりおにーさんもこっちでゆっくりしようね!!」 「おかーしゃんなんかそのまましねばいいよ!!ゆっくりしんでね!!」 との返答を貰い、そのまま視線を母まりさに戻す。 「…だとさ」 僕は母まりさに向けてニコリと微笑んだ。 母まりさは、僕にとって最高の表情をしたまま…最期の叫び声をあげた。 「ゆ゛っ……ゆぎゃああああぁあぁぁぁぁぁぁぁあがえんrぎなえりおいりあがあrがにrg!!!!」 声にならない叫びをあげたが最後、母まりさは動かなくなった。 子供たちにはずっとゆっくりしてもらいたい。だからこそ、厳しく接してきた。 だが、子供たちには伝わっていなかった。それどころか家族を崩壊させる一因になってしまった。 どうしてこんなことになってしまったのか、自分は間違っていたのだろうか。 母まりさは考える。考える。考える。でもわからない。餡子が足りないからわからない。 子供たちに伝わらなかった想い。伝わらなかった願い。 一生懸命伝えたつもりだった。でも、伝わらなかった。伝えたかったのに、伝わらなかった。 そしてこれからも、その想いと願いは、伝えることはできない… 傍らで笑いあう子供たちの声が、遠くに聞こえる。 母まりさは、ゆっくりと後悔しながら…さいごのいのちを吐き出した。 あとがき この話、本当にかわいそうなのは誰だろう? 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/640.html
その日は縁日だった、何気なく立ち寄ったゆっくり屋で、私は子ゆっくりを買うことにした 子ゆっくりはテニスボールくらいの大きさで、みんな元気に跳ね回っていた 私は隅っこにいた、ゆっくりれいむを一匹買うことにしたのだが 「いやだよ!まりさとはなれたくないよ!」 「そうだよ!まりさはれいむといっしょにいたいよ!」 などと、野良ゆっくりだった頃の友達だろうか?れいむを連れて行こうとする私にまりさが抗議をする 怒ったテキ屋の兄ちゃんが、ゆっくり棒で軽く殴るが連れて行かせまいと、れいむの前に立って体を膨らませて威嚇している ゆっくりの美しき友情に心底感動した私は、当初の予定を変更して、この仲の良いゆっくり達を全て買い取ることにした 「一匹飼うのも二匹飼うのもそう変わりません、仲の良い友達同士、離れ離れにするのは酷なことですからね、二匹とも買い取りましょう」 「そうか、いやぁ~すみませんね、お兄さん」 仲間と離れ離れにならず、みんなで一緒にいられると聞くとゆっくり達はとても喜んでくれた 「ゆゆ~!ありがとうおにーさん!」 「まりさたちをゆっくりかわいがってね!」 君達を可愛がる?そんな事をする気は毛頭無い こうして二匹のゆっくりを購入した後、途中で射的をしたり、綿飴やりんご飴を買ったりして家路についた 道中、ゆっくり達は歌を歌ったり、仲間と一緒にとび跳ねたりして楽しそうにしていた 見ていると本当に心がなごむ、愛らしい姿なんだろう、最も私には不快にしか映らないが お腹がすいたというので千切った綿飴を少しあげると、喜んで食べてくれた 「おにいさんはゆっくりできるひとだね!れいむとってもゆっくりできるよ!」 「おいしいおかしだね!とってもおいしいよ!」 普通のゆっくり達ならお菓子を奪い合ったり、喧嘩をするが、このゆっくり達は平等に綿飴を分け合って食べている ゆっくり達の顔はどれも名前の通り、安心しきった、ゆっくりとした表情をしていた あぁ、早くこの顔を絶望に歪ませたい 家に着くと、ゆっくり達はさそっくお家宣言を始めるゆっくり達 「おっきなおうちだね!れいむたちのゆっくりプレイスにするよ!」 「まりさたちにぴったりのおうちだね!」 家に入るとすぐに自分たちのお家宣言をする、これはゆっくりの悪い癖だ、このセリフのせいで虐待されたゆっくりはどれだけ居るのだろうか? ともかく玄関先で騒がれては近所迷惑になってしまう、私はゆっくり虐待用の部屋にゆっくり達を連れていき、籠から出してやる ゆっくり達は無邪気に飛び跳ねながら楽しそうにしている虐待し甲斐のあるゆっくり達だ 「おにいさん!おなかへったよ!」 「ごはんをもってきたらまりさたちのおうちでゆっくりしてもいいよ!」 何がおなか減っただ、身の程をわきまえないとひどい目にあうということを教え込んでやる 楽しそうに飛び跳ねているれいむの髪を掴んで、乱暴に持ち上げる 「いっ!いたいよおにいさんゆっくりおろしてね!」 痛みに顔をしかめながら、れいむは私をぷくーと膨れて睨みつけてくる お友達が痛い目に逢っているのを見るなり、まりさもぷくーと膨れて怒っている 「おにいさん!れいむのかみをつかむのやめてあげて!」 友達が痛い目にあうと、自分のことのように怒る、良い子だな本当に、だからこそ痛めつける 「ははは、すまないね僕は良いゆっくりにも、悪いゆっくりにもとても厳しいお兄さんなんだ 特にこのれいむは心の汚れた悪いゆっくりだから、特別痛めつけてやるんだよ」 私の滅茶苦茶な説明を聞くなり、れいむは涙声で反論する 「ひどいよ!ひどいよ!れいむはいいゆっくりだよ!」 うるさいゆっくりだ、お仕置きが必要だな、私は素早くポケットから縫い針を取り出すとれいむの後頭部に軽く突き刺す もちろん、これで殺すわけではないあくまで浅く突き刺す、しかしれいむにはとても痛かったようだ 「ゆ゛っ゛!いだぁい!」 れいむの声がうるさいので、泣きわめくれいむにゆっくり用の猿轡をつけると、加工所のベストセラー商品、透明な箱に入れる ちなみに、この透明な箱の底には薄く水が張っておいた、少しでもゆっくりに不快な気分になってもらうための一工夫だ 中でれいむはふごふご言っているが無視 まりさはれいむを傷つけた私に向って怒鳴り始めた 「ひどいよおにいさん!まりさたちのおうちからでていってね!」 馬鹿なゆっくりだな、ここは先祖代代受け継いできた家だ、貴様らの家だと笑わせるな 「ここが君のうち?馬鹿言わないでくれ、先祖代代受け継いできた家なんだぜ 君みたいな身の程知らずの馬鹿には死ぬまで苦しんでもらうよ」 私はまりさの帽子を取り上げると、まりさの頭を針で何度も突き刺す 「ゆゆっ!いだいおにーさんやめて!やめて!」 まりさは針から逃げようと右往左往逃げ回る、愉快な奴だ 軽く蹴り飛ばすと「グッびゅ!」と鳴きながら転がっていく 箱の中でれいむがまたふごふご言いだした、大事なお友達が痛めつけられるのをよく見とけ、ボケが 痛みで動けないまりさをれいむと同じ様に、透明な箱に入れる そして、箱の中に河童印の唐辛子スプレーを吹きかける 「ゆぎゅっ゛つ゛!い゛だぁ!」 体中に焼けるような痛みを感じて、鼻水と涙を流しながらまりさは悶え苦しむまりさ 苦し紛れに飛び跳ねているから、透明な箱中に鼻水や涙が飛び散っている、汚いゆっくりだ さて、少し運動もしたし腹が減った夕食にでもしよう 私は虐待部屋から出るとすぐ、食事を始めた 炊き立てのご飯に昨日のカレーの残りと温泉卵を乗っける、独り身だと夕食なんたこんなもんだ 食べ終わるとすぐに私はゆっくり虐待部屋に向かう 食事の間中も頭の中はゆっくりを痛めつけることで一杯だった、こんな私は巷で話題のゆっくり虐待脳なのだろうか? 私は虐待部屋に戻ると、透明な箱に入っていたれいむとまりさを乱暴に引きづり出した れいむは箱から出るなり私に体当たりをしようとする、しかし、長い間底部が水に浸かっていたせいか、ふやけてうまく跳ねれない かといって、罵詈雑言を吐こうにも猿轡を噛んでいてはそれも叶わない、結局膨らむだけにしたようだ 一方まりさはさっきのスプレーでのどを痛めたのか、しきりに咳をしている ざまぁみろゴミ虫め 「君達も疲れているだろう、このダンボールの中で寝なさい」 出来るだけ優しく言ってやったが 「ん~!んんむんむ~!」 「おにいさんのいうことなんかきかないよ!とっとときえてね!」 だそうだ、人の好意も素直に受け取れない糞ゆっくりは…こうだ! 二匹の髪を掴むと、ダンボールの中に手加減して叩きつける 「ゆ゛っ!ひどいよおにーさん!」 「ん゛ん゛んぅ!ん゛~む゛ぅん!」 「ゆっくりできてないよ!れいむだいじょうぶ!れいむ!」 まりさは体が少しへこむ程度で済んだが、れいむは違った 水を吸ってふやけていた底部が破けて、餡子が滲み出できている 痛みに身をよじって体を揺らしている、おおきもい、きもい こんなに痛がるなら猿轡を外してからやればよかった、そうすればれいむの苦しむ声をたっぷり聴くことができたのに 少し軽はずみな行為をしてしまった事を恥じながら、れいむの猿轡を外す 「ゆ゛ぅえ゛っぐ…ひ゛っぐれ~むのあしが!」 「おちついて!ゆっくりなおるからおちついてね!」 「ゆっぐ…ひっ…ぐ…ゆっゆ」 「おちついて!だいじょうぶだよれいむ!」 ゆっくりにとっての足の部分が破けたショックで、過呼吸気味のれいむを落ち着かせようと、まりさが頬擦りを始めた 頬擦りはゆっくり達の友愛の証でこれをする方もされる方もゆっくりできるらしい しかし、私に貴様らをゆっくりさせる気は全く無い ゆっくり共の入ったダンボールを持ち上げると、上下左右に素早く小刻みに揺らす 中のゆっくり達はピンポン玉のように、あっちに飛んだりこっちに飛んだりして、ダンボールにぶつかる度に悲鳴を上げているいる これなら、ゆっくりピンボールとか作ったら売れそうだな 「じしんだよ!こわいよいやだよ!」 「いだいよ!いだっひぅあしがいっだいよぉ!」 まりさは地震と勘違いしてしまったようだ、眼を固くつぶって震えながら転がっている、馬鹿な奴だな れいむの方は揺れて転がることで傷口がどんどん広がっている、漏れ出す餡子の量も多くなってきている ここで殺すのもありだが、もう少し生かしてやることにした ダンボールから二匹を出すと、まりさが私に泣きついてきた 「おにーさん!このままじゃれいむがしんじゃうよ!いままでのことゆるしてあげるかられいむをなおして!」 「まりさだけでもにげて!このままじゃまりさがゆっくりできなくなるよ!」 「れいむはだまっててね!まりさはれいむといっしょじゃなきゃゆっくりできないよ!」 この言葉には普通の人なら感動するだろうが、私には骨の髄までゆっくり虐待の血が流れている どんな感動的なことをしたとしても、それがゆっくりなら虐待するまでだ 「なるほど、まりさはれいむのことを治してあげたいんだね?」 「そうだよ!ゆっくりしないでれいむをなおしてね!」 「しょうがないな、私なりのやり方で治してあげるよ!」 私は素早くれいむを仰向けにすると、濡れてふやけた底部の皮をむりやり剥ぎ取る 「ゆっ!いだい!いだぁい!いだい!」 「れ…れいむになにするのー!しね!しね!」 まりさは顔を真っ赤にして私に突撃してくる、それこそ私を殺すつもりの体当たりだったのだろう しかし、しょせんはゆっくり、痛くもかゆくもない、むしろぷにっとして気持ちいい だが、ゆっくり風情が人間様に楯突くとはどういうつもりだ 私は力の差を教えるためにも、まりさを捕まえると、右目の部分に噛み付き、引きちぎった 口の中が程よい甘さでいっぱいになる、しかし私は辛党だ、ゆっくりなど食べても不快な気分にしかならない 嫌々、何度か咀嚼してすぐに吐き捨てる、左目は縫い針で何度も突く、突き刺すたびに目からは餡子とは違った、透明な液が噴出する 言葉にならない叫びを発するまりさを思い切り殴りつける、後頭部がへこんで口からボトボトと餡子をおう吐し始めた ふぅ…すっきりした、たまにはこんな風にワイルドに痛めつけるのも悪くない 第一、れいむに関しては本当に直してやるつもりだったんだ、それを死ね、などと言われたら少しくらい怒ってもしかたないではないか 「こないでぇ!いじめるのはまりさにして!こないで!」 「ぎぃ!う!うっぷうっ…おぇ~」 さて、れいむはというと、さっきまりさにやった折檻がよほど恐ろしかったようだ 足のない身で、必死に私から離れようとしている まりさの方は、噛みちぎられた右目のあった場所と口から、命の源の餡子を垂れ流している 左目はどんより濁って、なにも映してはいないようだ しかし、れいむの「いじめるならまりさにして」発言は良く聞こえたようだ 「びどぉい!でいむびどいよ!」 と、餡子を口から飛ばしながら叫んでいる、それから一分とかからずまりさは息を引き取った まりさが死んだことを確認すると、私はまりさの底部をれいむのように剥ぎ取った 私は、逃げようとするれいむに近付くと、出来るだけ穏やかな表情を作って話しかける 「れいむ、今から私は君の体の治療をする、痛くするつもりは毛頭無い けど、もし逃げようとしたり、泣いたり、私を不快にするようなことをしたら、ただではすまないよ」 「わわかったよ!にげないしなかないよ!」 それなら良い、私はまりさから剥ぎ取った底部をれいむの底部に張り付ける、ぴったりとはいかなかったが ゆっくりは単純でいい加減な生物だ、すぐに癒着するだろう 「これで大丈夫、しばらく動かなければきちんと歩けるようになるよ」 「ゆっ!それじゃあうごかなふぎゅ!」 すかさずれいむを踏みつける 「何かしてもらったら、普通はありがとうございましたって言わないかな?」 「ゆぐ…ありぎゃとうごじゃいまちた!」 痛みに耐えてれいむはお礼を言った、この男に逆らえば絶対にゆっくりできない、というのがゆっくりブレインにもよく分かった それからしばらくすると、れいむの皮とまりさの皮はきっちり癒着して、普通の状態に戻っていた 「良し、治ったね、それじゃあちょっとジャンプしてくれ」 「ゆっ!わかったよ!ぽよーん!」 なるほど、きちんと癒着しているようだジャンプ力も問題ない れいむが不快な擬音を口にして飛び上った瞬間、私はれいむの底部をけり上げた 「ゆぎゅ!」 移植したばかりだった、れいむの底部は簡単に破れた 痛みに悶絶するれいむを無視して、まりさの死骸から口を削ぎ落とす そして底部の破れた場所に、無理やり押しあてる 「ぎゅぅ!!!いふぁい!いだいぢだい!」 「黙れ、殺されたいか」 「ぎゅ!っつ…ん…む」 私のことを本当に恐れているのだろう、れいむはすぐに静かになった それから五分後、れいむは底部に口を持つ、世にも珍しい二つの口を持つゆっくりになっていた その結果に満足した私は、れいむを小さな透明な箱に入れると、今日一日の疲れを癒すべく寝室に向かった 一方れいむは、男への怒りで体中が爆発しそうだった 透明な箱はれいむのサイズより一回り小さかったが、男に無理やり押し込められた、身動き一つ取れない なんで可愛いれいむがこんな目に会わなきゃいけないの? 腹立たしげにれいむは呟いた 「「ゆっくりできないよ!」」 れいむは驚愕した、自分の体から死んだはずのまりさの声がしたのだ 「「まっまりさ!いきてたの?」」 しかも、不気味な事に自分の言うことを真似してくる これは、まりさの霊がれいむを祟りに来たんではないか そう思うと、体中から冷や汗が出てくる 「「れっれいむはわるくないよ!」」 「「しんでるくせにふざけないでね!」」 「「まねしないでよ!」」 「「ねぇ!やめてよ!」」 「「れいむはわるくない!ほんとだよ!」」 「「おねがいだから!まねしないでね!」」 「「やめてやめてれいむはわるくないよ!」」 れいむは朝まで自分の発した声に怯えていた 私は朝起きると、朝食をしっかり取ってから虐待部屋に直行した 中ではれいむが何やらぶつぶつ言っている、そして同時に死んだはずのまりさの声も聞こえてくる、どうやら成功したようだ 「おはようれいむ、昨日はよく眠れたかい?」 「「おにーさん!たすけて!まりさがどこかにいるよ!れーむのまねをするよ!」」 私は塩水をたっぷりれいむにかけてやった 「「ぎゅぅ!からいよ!くるしいよ!」」 「朝のあいさつはおはようございますだろ、言ってみなさい」 「「おはようございます!」」 「よろしい」 れいむは辛い辛いと騒いでいたが、いきなり真っ青になって私に体の異変を訴えてきた 「「ゆ゛っ!へんだよ!すっごくへんだよ!」」 「何が変なんだい、言ってごらん、れいむ」 「「れいむのあしがあじがわかるんだよ!へんだよ!おかしいよ!」」 私は苦笑してれいむの疑問に答えてやった 「それはね、君にまりさの口を移植してやったからさ、君の足にはまりさの口があるんだよ」 「「そそんなはずないよ!いやだよおくちはひとつでいいよ!」」 真実を教えてやったのに、そこまで言うなら仕方ない、れいむを透明な箱から取り出すと床に落とす ゆっくりの底部は頑丈で弾力がある、普通のゆっくりならこれ位痛くもかゆくもない しかし、れいむは違った 「「いだぁい!いだぁいよなんで!」」 れいむの底部には、まりさの口が付いていた ゆっくりの口はそう頑丈じゃない、裏返してみると何本か歯がへし折れていた 騒ぐれいむを無視して、私は一メートル四方の超巨大透明な箱を持ち出す 中にたっぷり塩を入れると、その中にれいむを放り込む れいむは底部を塩の床につけるなり、辛い辛いと騒ぎだした 騒げば騒ぐほど、底部の口から塩がれいむの体内に入っていく あと数分もすれば、このれいむは大嫌いな塩でお腹いっぱいになれるだろう 「ゆっくり味わって食べなよれいむ、塩はたくさんあるんだから」 「「いや!たすけて!ゆっくりできないよ!からいよ!くるしいよ!たすけて!」」 二つの声で何かに助けを求めるれいむ ゆっくりにとって、塩は大量に摂取すれば死の危険性もある食糧だ、帰ってくる頃には苦悶の表情で死んでいるだろう 朝から愉快なものが見れた私は、虐待部屋から出た後すぐにゆっくり加工所に向かった そう、私はゆっくり加工所で働いているのだ、家に帰っても虐待、職場でも虐待 私はこの世で最も幸せな男なのではないだろうか、といつも思う 自分の本当に好きなことを職業にできたのだから 作:ゆっくりな人 以前書いた虐待 ゆっくりカーニバル 臭い付きゆっくり(上) 臭い付きゆっくり(下) このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5213.html
初投稿、虐待描写少なめ。 ゆっくり包丁とお兄さん 「おきゃあしゃああん!ゆんやぁぁぁぁ!ゆんやぁぁっぁ!!」 「お姉しゃん!?こっちこにゃいでね!?こにゃいでぇぇぇ!!」 ガラス製のボウルにいれられたゆっくり達が体をぐねぐねとくねらせながら泣き叫んでいます。 知能の低い赤ゆたちでも親ゆの無残な姿を見れば、自分達が何されるかぐらいは解るのでしょう。 私はゆっくりれいむだった物からゆっくりと「ゆっくり包丁」を引き抜くと、ボウルの赤ゆに手を伸ばします。 「まりしゃはおそらを・・・ゆぴぃぃぃぃ!!」 「ゆわぁぁ!いもうちょー!」 私はその小さなゆっくりまりさに包丁を・・・ 私が「ゆっくり包丁」に出会ったのはもう5年も前のこと。 料理学校に通うことになった私に、父が包丁を買ってくれました。 次の休みの日に一緒に買いに行こうと父が言ってくれて、休みの日が待ち遠しかったのを覚えています。 そして当日、街の金物屋に行った時その包丁はありました。 野菜を切る包丁、お魚を切る包丁、普通の包丁、それらと一緒に並んでいたその包丁は、 今まで見たことのない不思議な形をしていました。 「それはね、ゆっくり専用の包丁さ」 隣にいたお兄さんがそう言いました。 「ゆっくりはね、苦しめば苦しむほど甘みと弾力が出て美味しくなるんだ、 余計な傷が付かないような鋭い刃、あえて傷を付ける鋸のような刃、 側面で潰したり叩いたり出来るようにそれなりの厚さと重さにしてある」 そう教えてくれました。 「この包丁に興味を持つなんて、君は虐待おn・・・いやいや料理人としての見込みがあるね」 そう言って私の頭をポンと叩くとお兄さんはお店を出て行きました。 その日は普通の包丁を買って貰ったのですが、私は「ゆっくり包丁」の事が気になって仕方ありませんでした。 ゆっくりって美味しいのかな、どのくらい甘くなるのかな、包丁高いかな、そんな事をいつも布団の中で考えていました。 今思えば、その時からもう私はその「ゆっくり包丁」に魅せられていたのです。 昔のことを思い出しながら私は下ごしらえを終えました。 さっきまではやかましかった厨房もいまでは静まり返っています。 料理に使えない親ゆの死骸はゴミ袋へ、皮と餡子そして中枢餡を分けた元赤ゆ達はそれぞれ別の容器へ。 「下ごしらえは済んだかな?それじゃ、そろそろ店を開ける準備をしようか」 「はい、山越オーナー」 料理学校のゆっくり科で優秀な成績だった私は、学校からの紹介でこの料理店で修行中です。 この店のオーナーはなんとあの時のお兄さん、私に「ゆっくり包丁」を教えてくれたお兄さん。 ここはレストランヤマゴエ、都内で有名なゆっくり専門の料理店です。 おしまい
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2699.html
ゆっくり実験02 ~ありす掘削~ 作:アイアンマン やあ。僕は人里に住む普通のお兄さん。 以前、ゆっくりまりさの底をぐるっと切って、皮を持ち上げたりした者だ。 あれ以来、ゆっくり実験には手を出していなかったんだけど、今日たいへんなことが判明した。 「えへっ……実は私も……好きなんだ。ゆっくりいじめ」 可愛らしく笑ってぺろっと舌を出したのは僕の妹。 「おまえもか」 「うんっ♪ だからお兄ちゃんといっしょに、虐待したいしたい、した~い♪」 そう言って僕の手に取り付き、ぴょんぴょんと跳ねる。 セミロングの髪とミニスカートがはためき、健康的な太腿がちらちらと見える。 僕は普通のお兄さんだが、妹が好きだ。 妹が好きでも別に異常ではないことは、多くの人に賛成してもらえると思う。 賛成してもらえるよね。 可愛い妹のためとあれば、やらないわけにはいかないだろう。 「で、こいつか」 「うん、あたしはこれが好み」 そういって僕たち二人はテーブルの上に目を注いだ。 そこにいるのは金髪に赤いカチューシャを差したゆっくりだ。 「ゆふん、ゆっくりしていってね!」 ゆっくりありす。 まあ説明の必要もないと思うが、マスクメロンぐらいの大きさで、健康そうだ。 「冷蔵の赤ちゃん状態で買ってきて、手塩に掛けて育てたのよ。 この四ヵ月、ず~っと仲良く暮らしてたんだから。ねー、ありす」 「ゆっ! まちがえないでちょうだいね、ありすがなかよくしてあげたのよ! とかいはなわたしとくらせて、おねえさんもゆっくりできたでしょ?」 ありすはそう言って、自慢げにふんぞり返った。 僕の胸の底で、メラッと何かの炎が燃える。 ――すると妹が、しっとりした華奢な指で僕の手をキュッと握った。 「ね、可愛いでしょ?」 天真爛漫な笑顔の奥に、異質な気配が見える。 うんうん、さすが僕の妹だ。ただ単に美少女なだけじゃなく、ミステリアスで素敵だなあ。 「それで、この仲良しありすを、やっちゃうの?」 「そう、やっちゃうの♪」 嬉しそうにうなずくと、妹はいそいそと準備を始めた。 ありすは、いくら都会派を自称していても、しょせんは空気の読めないゆっくりなので、間の抜けた質問をする。 「ゆっ? ゆっ? なにかたのしいことをするの? ありすもさんかしてほしいんじゃなくて?」 「ああ、ありすも一緒に遊ぼうなー」 僕は平和そうな雰囲気を装って、ありすの髪をなでてやった。 「き、きやすくさわらないでほしいわね! ぷんぷん!」などと頬を赤らめながらも、身を任せるありす。 ああ、こういうところは可愛いな。 もちろん、可愛いからって手を緩める気はない、というか可愛いからこそやっちゃうんだけど。 そうこうしているうちに妹が準備を整え、ありすの前に何かを差し出した。 「はい、まずはこれを召し上がれっ」 「ゆ、なにかしら?」 皿に盛ったクッキーだ。あら、これはほんとにとかいはなおかしね! とありすはよだれを垂らして平らげる。 「むーしゃ♪ むーしゃ♪ しあわせえええ……っと、こほんこほん! まあまあね」 などと気取った態度を取ってはいたが、五分も立たないうちに目がトロンとしてきた。 クッキーを口から落として、すやすや……と眠り込んでしまう。 僕は妹を見る。 「眠り薬入りなんだ?」 「そう。でも普通のとはちょっと違うの」 「どんな風に?」 「強い鎮痛作用があるんだって。眠り薬って言うより麻酔薬だね」 「そんなもの、よく手に入ったね」 「ショップで普通に売ってたよ?」 さすがゆっくりショップ。多様なニーズに対応しているらしい。 「さぁて、ここからがいよいよイジメです……あふん、ドキドキする」 言いながら妹が取り出したのは、奇妙で武骨な器具だった。 垂直に立つ枠のようなもの。さながら刃のないギロチンとでも言うべきか。 「ここに、ありすちゃんをハメまーす……」 メロン大のありすを枠の中央に収め、上の横木を下ろして挟み込んだ。ありすは固定され、動けなくなる。 作業しながら、妹がささやく。 「ごめんね、ありす。仲良くしてきたのにね。ショッピングにいったし、サイクリングもしたね」 言いながら電気バリカンを持ってありすの後ろに回り、綺麗な金髪をガーッと剃り始めた。 「大好きだよ、ありす。かわいいよ、ありす……」 なんか膝をもぞもぞこすりあわせ始めた。ほっぺたがほんのり赤く染まっている。 僕は思わずごくりと唾を飲んで、妹の肩に手をかけた。 「ひゃん!」 ビクッ、と震えて妹が振り向く。僕は何度もうなずいた。 「うんうん、わかるよ、今のおまえの気持ち」 「やだ……」 とうつむいた妹が、ふと何かに気付いたように顔を上げた。 「そっか、お兄ちゃんも、なんだ……?」 「そうさ。僕だって、まりさをいじめたときには……」 「ああ……お兄ちゃん! やっぱりあたしのお兄ちゃんだぁ……♪」 花が咲くようにふんわり微笑んだ妹に、僕は愛情をこめて頬ずりしてやった。 「さあ、何はともあれ、これを続けなきゃ」 「うんっ、そうだね! 薬の効き目が切れちゃう。そうそう、お兄ちゃんにも役柄があるの。手伝ってね!」 明るく元気にうなずくと、妹は残りの準備をてきぱきと進める。 ビデオとディスプレイの設置、配線、そして術具の配置など。 すべてが終わると、僕たちはありすの前の椅子に腰掛けた。 「さあ、ありす、目を覚まして……」 すでにパンツの中が大変なことになっちゃってるらしい。 スカートの上から股間を直したりしつつ、妹がありすの顔の前に気付け薬をかざした。 「ん……ゆ……くちゅんっ!」とくしゃみをする。人間でいえばアンモニアを嗅がされたようなものか。 うっすらと目を開けたありすが、しぱしぱと瞬きして状況を把握しようとする。 右手に僕、左手に妹。 そして正面には大画面の液晶モニター。 「「ゆっくりしていってね!!!」」 僕と妹のかけた声に、ありすはびくっと驚いた。 「ゆ、ゆっくりしていってね……?」 そして落ち着きなく、辺りを見回そうとした。 動かない。 いや、動けない。 ゆっくりありすは体を動かせない。顔を押さえる枠のせいだ。 そして、そちらまで視界が届かないので、なぜ動かないのかも分からない。 おまけに薬で思考が鈍っている。 「ゆ? ゆ? なんなの? ゆっくりうごけないわ?」 きょときょとと左右を見るありすの前に、いきなり妹が、ずいっと身を乗り出した。 「ねえ、ありす!」 「ゆっ?」 僕の横に小ぶりなお尻をツンと突き上げた姿勢で、テーブルに手をついて妹はありすに詰め寄る。 「今日はあなたに見てもらいたいものがあるの」 「ゆ、そんなことより、ありすはゆっくりうごきたい――」 「いいから、ね、見て! きっとゆっくりできるわよ?」 押しかぶせるように言うと、妹は身を引いてリモコンの電源ボタンを押した。 ぱちっ、と映像が映し出される。 板の上に乗っている、白いものの映像だ。もっちりとして柔らかそうな楕円状の物体。 かなりアップにしてあり、その白いものと、台になっている板以外は映っていない。 「ありす、これがなにかわかる?」 妹が聞く。ありすは眉をひそめ、ふるふると首を振――ろうとしたが、枠に阻まれて失敗し、目だけを横に動かした。 「わからないわ。ねえ、ありすはゆっくり――」 「いい、見ててね? ありす」 ありすを無視して言った妹が、目顔で僕に合図した。 僕はうなずき、席を立って離れる。ありすがとまどったように言う。 「あら? おにいさんはどこへいくのかしら?」 「さあね?」 妹がしらばっくれたその時、画面に変化が起こった。 刃物を持った人間の手が現れたのだ。 その手は、ためらいなく刃物を白いものに突き立てた。ぷつり、と弾力のある生地に刃が食い込む。 手はそこでいったん止まった。妹がありすに目を移す。 「ありす、これをどう思う?」 「ゆぅ……? いみがわからないわ」 「そう? じゃあもう少し見てて」 手が再び動き出し、白いものに切れ目をつけていった。 さくり……さくり……と刃が生地を切る。そのたびに妹がせわしなく瞬きする。 足を組み替えて、ぎゅっと力を入れたのが分かる。両手で自分の胸を抱きしめた。 僕はにやにや笑う。妹の気持ちがわかる。 声をかけたかったが、そうするわけにはいかない。声を出したら僕の居場所がありすにばれてしまう。 さくっ……と生地を四角く切ると、画面の中の手は、生地をめくりあげた。 もちもちとした生地がぐにゃりと持ち上がる。 と、その中で形を保っていた黄色いねっとりしたものが、とろぉり、とゆっくり垂れてきた。 妹が身を乗り出し、唇を震わせて尋ねる。 「ね、ねえ、ありす。ほ、ほんとになんとも思わない?」 「ゆゆぅ……?」 ありすは眉をひそめて映像に目を凝らしているらしい。クイズか何かだと思ったのかもしれない。 「これは……なにかしら。やわらかくて、もちもちしているわ」 「うん、そうね」 「なかから、とろとろしたものがたれてるわ。なんだかゆっくりしたものにみえるわ」 「そう、そうよ」 「でも……なにか、なにか、ゆっくりできないかんじが、す、る……」 「うんうん……うんうん!」 期待を込めてありすの顔を覗きこんでいた妹が、しばらくしてから、僕に目配せした。 僕は静かに歩き、妹のそばに戻った。考えこんでいるありすの前に、コトリと皿を置く。 「ゆっ?」 目を上げたありすが、皿に気付いた。その顔を、ふわりと甘い香りが撫でる。 皿には、スプーンで盛りつけた黄色いカスタードクリームが乗っている。 「あら……あまあまだわ! とかいはなにおいのするあまあまだわ!」 口の端によだれを浮かべて、ありすが僕を見上げた。 「これをありすにくれるのね? ありすがたべていいのね?」 「いいけど、あたしもほしいなあ……」 「ゆっ! いいわ、おねえさんたちにもあげるわ! ありすはやさしいのよ!」 気取った調子でありすが言ったので、僕と妹は顔を見合わせ、一緒に食べ始めた。 「あーん……おいし」 「ありすにも! ありすにもあげなきゃいけないでしょ!」 「わかってるって。はい、ありす。あーん……」 「あーん……ぱく! ぺーろ、ぺーろ♪ しあわせええぇ♪」 口を開けて目に涙を浮かべ、ふるふると感動するありす。 ゆっくりの性質だとはいえ、こんなときでも感動してしまうなんて、業だなあ。 「おいしいよね、クリーム」 もうひと口、自分で味わった妹は、次にすくったクリームを僕に差し出した。 「はい、お兄ちゃん♪」 「いいの?」 「んふ、あたしが大事にしてきた……クリーム、食べてね」 中ほどのところは言葉を濁して言い、妹がスプーンを向けた。僕は口を開ける。 「はい……」 妹の唾液のまだ残るスプーンを、僕はぱくりとくわえた。 じっくり舐め取って、と言わんばかりに、妹はじわじわとスプーンを引き抜いた。 そして、僕の唾液の残るスプーンでクリームをすくい、僕に見せ付けるように桜色の唇にくわえて、ねっとりと舐め取った。 上気したような上目遣いでささやく。 「ごめん、あたしのスプーン、使わせちゃって……」 「いや、いいよ。僕は平気」 「そうなんだぁ……♪ うれし」 小悪魔みたいに色っぽい笑みを浮かべると、妹はわざとクリームを残すような舐め方をして、僕にも使わせた。 僕もお返しに、口に入れたクリームをかき混ぜてからスプーンに載せて差し出し、妹に舐めさせてやった。 そんな甘甘プレイを兄妹でやっていると、ありすが「ぷくぅぅ!」とふくれてしまった。 「おねえさん、おにいさん! ありすにももっとくりーむをよこしなさいな! ありすはもっとほしいわ!」 仲間はずれにされた悔しさからだろうが、それを聞いた妹が、また目を輝かせて身を乗り出した。 「もっと? ありす、もっとほしいの?」 「ゆん、そうよ! ゆっくりもってきてね!」 「ほんとうにいいの?」 「いいっていってるでしょおおお!」 うわ、青筋立てた。ヒスを起こしたみたいだ。 ありすは他のゆっくりより怒りやすいのかもしれない。 ともあれありすのご用命なので、僕は席を立ち、クリームのお代わりを持ってきた。 そしてありすにひと口か二口やり、あとはまた兄妹で舐めたり舐めさせたりする。 クリームがなくなると、また持ってくる。 それを繰り返しているうちに、どうも違う気がしてきたので、いつの間にか抱きついていた妹を押し戻して、僕は言い聞かせた。 「ちょっと待ちなよ、これ、ありすとの遊びだったろう」 「そ……そうだね」 妹はスイッチが変なほうに入ったらしく、汗ばんだ顔を僕の胸に埋めて、はふはふ息をしていた。 僕に押し戻されて、ようやく正気を取り戻す。 「こんなことしてちゃ、いけないよね……」 「そうだよ」 「でもなんか、これはこれでいいから、お兄ちゃん、あとで……ね?」 おねだりするような目をしてきたので、僕はそのおでこにキスをして、頭をなでてやった。 それから二人でありすに向き直った。 「ねえありす、まだまだクリーム、ほしい?」 「ほしいわ! もっとありすにもあまあまがほしいの!」 かなりイライラしているようだ。まあ無理もないか。仲良しの飼い主である妹を、僕に取られちゃったんだから。 妹がありすの頬に触れて、やさしく言い聞かせた。 「ごめんね、つい夢中になっちゃった。でもありすのことも好きだよ」 「すっ……すき、なの?」 好きだと言われたとたん、ぽっ、とありすは頬を赤らめた。 じつに単純だと思うけれど、ありすが一番弱いキルワードが、「好き」のひとことだと聞いたことがある。 仕方がないんだろう。 「す、すきっていえばゆるされるなんて、おもわないでね!」 「わかってる。だから態度で示すね。ありす……」 顔を寄せた妹が、ありすの頬にキスした。 それも、つついて離すような軽いキスじゃなくて、唇を塗り当てるような濃厚なキスだ。 「ゆ、ゆうぅぅ、おねえさん、そんなぁ……ちゅっちゅ、すごいわぁぁ♪」 たちまちありすが身をくねらせる。うーん、可愛いかどうか微妙なところだ。 キスを終えると、妹は僕に目配せした。僕はクリームを取りに行く。 妹はありすの顔のそばで、睦言のようにささやく。 「ね、画面見て、ありす」 「ゆぅ?」 そこには、例の白いもちもちに刻まれた、拳が入るほどの穴が映っている。 今またそこに現れた手が、空洞と化しつつある穴の奥にスプーンを差し込んで、クリームをかき出していた。 「もうずいぶんクリームを取っちゃったから、スプーンが届かないの」 「ゆぅぅ? それはこまったわね……」 「だから、しぼり出してもいいかな?」 「あら、しぼればでるの? じゃあしぼればいいとおもうわ」 「そう? ありがとう」 妹は微笑むと、ありすの両方の頬を、手のひらで挟んだ。 「ゆぅ……?」 そして、少し力をこめて、ぎゅっと押した。 画面に映る空洞の奥から、ねろねろとカスタードクリームが出てきた。 スプーンがそれをすくい、持ち去った。 妹が、またありすに顔を寄せてささやく。 「まだまだ出てくるわね、ありす」 「ゆ、そうね……」 うなずこうとしたありすが、ふと、言葉を切った。考えこむような顔をしている。 その間に僕は戻ってきて、ありすの前に皿を差し出した。 そして次の皿を手にして、また立ち去った。 「あら? おにいさん? たべないの?」 「全部食べていいのよ、ありす」 妹が頬杖をついて、うっすらと微笑む。 「ううん、全部食べなきゃダメよ、ありす」 「……おねえさん……?」 ありすが不安を感じたように尋ねたとき、画面に再び人間の手が現れた。 それと同時に、妹がありすの頬に手を伸ばした。 「ゆううっ!?」 妹がありすをおしつぶす。 画面に映る穴から、ムリムリとクリームが出てくる。 人間の手がその大部分をかきとった。 ややあって、僕がありすの視界に現れ、一枚目の皿の隣に二枚目の皿を置いた。 そして妹と二人で並んで、にこにことありすを見つめた。 妹がとびきりのプレゼントをするような声で言った。 「さあ。わかったかしら? ありす」 「ゆ……?」 ありすの、ゆっくりにしては端正な顔に、疑問のさざなみが走った。 次第にそれが、黒く深くグロテスクな恐れの色へと変わっていった。 「ゆ……え……? これ……だれのあまあま……え?」 混乱している。無理もない。常識的に考えればありえない。 だってその想像が本当なら、ありすは激痛で悶え苦しんでいるはずだから。 それなのに現実は、大好きな飼い主とごく普通に会話できている。 でも。 「ありす、一緒にお買い物にいったよね」 おねえさんの、 「ショーウィンドウのウェディングドレス、見とれてたよね」 いうことが、 「ゆっくり用のドレスなんてなかったけれど、帰ってからレースのハンカチでヴェールを作ってあげた。すっごく喜んでくれたね」 なつかしい、うれしい、とてもうれしかったのに、 「覚えてる?」 おもいだせない。 確かに見たはず聞いたはずのことが、思い出せない。 あるべき記憶がない。ごっそりと失われている。 まるで誰かに食べられてしまったかのように。 僕には、ありすのそんな恐怖が手に取るようにわかった。 僕が三枚目の皿を手に取って席を立つと、ありすが脂汗を流しながら叫んだ。 「ど、ど、どうな゛っでるのぉぉぉ゛!?」 「食べな。ね?」 返事の代わりに、妹が皿をありすの前に押し出す。 「食べるのよ、ありす」 ありすは本能的に悟ったようだ。食べなければまずい、と。 ものすごく、とてつもなくまずい、と。 「はっふはっふ! がっぷ、あぶあぶ、べーろべーろ!」 つんのめるようにしてクリームに舌を伸ばし、ありすは必死でクリームを舐め始めた。 そんなありすの頭を押さえ、妹が哀れむような顔でささやく。 「がんば・れっ」 ぎゅうううう! 容赦ない圧迫。潰れるありす。画面に映る穴からねろねろっとほとばしるクリーム。 そして、間をおかず自分の前に置かれる、三皿目のクリーム。 「べーろべーろべろべろ! ぬっちょねっちょ、あっぶあっぶ!」 ありすは舐める。必死で舐める。 口の周りはあっというまにべたべたになった。もはや都会派もへったくれもない。 舌の届く限り、飲み込める限りのクリームを飲もうとしている。 さあ、もう全貌を話してもいいだろう。残るのはもう競争だけだから。 要するにありすを麻酔し、前しか見られないようにしてから、後ろ頭に穴を開け、それを撮影してありす自身に見せているわけだ。 自分の頭に大穴が開き、中身を掻き出されているさまを見せつけ、感想を聞く。 あくまでも本人に確たることは教えず、ただ不安だけをじわじわと煽っていく。 自分の妹ながら、よくこんなねちっこいいじめを思いつくものだ。 ……とても素敵な妹だと思う。 僕と妹は、機械的なほど無造作に、しぼってはかき出す作業を続けた。 静かな共同作業の中心で、ありす一匹が必死で自分の中身を食らい、カスタードクリームをぐるぐると輪廻させていた。 だが、いくら頑張ったって、舌一枚で僕ら二人の作業に追いつくには、無理がある。 五枚、六枚、七枚……ありすの前の皿の枚数は、次第に増えていった。 それにつれて、空洞はありすの奥のほうへと広がっていった。 皿が九枚になった時、ありすの頭は、後ろ五分の三がぺらぺらの皮だけになっていた。 空洞から奥を覗くと、まだ生きて動いている顔面のほうから、ぬぽっ、ぬぽっ、と嚥下したクリームが押し込まれているのが見えた。 後ろへ回ってきた妹が、僕の隣からそれを覗き込んで、はふー、と吐息を漏らした。 悲嘆とも感動ともつかない声を漏らす。 「ありす、ありす。あなたもう、ほとんど空っぽじゃない……!」 「ゆぎいぃぃぃいぃ!! んべっ、べよっ、あぼっ」 泣き出しそうに悲痛な声をあげて、ありすがしゃにむにクリームを舐める音がした。 僕と妹は肩を寄せ合って、テーブルの前に回った。 ありすはまだ咀嚼していた。だがその顔は、内側からの圧力が減ったために、歪んだお面のようにぐにょぐにょになっていた。 涙とクリームでべちょべちょに汚れ、いつの間にか、生きようとする意志も薄れ始めているように見えた。 顔が歪んだので両目のピントがうまく合わなくなったようだが、右目でふっと妹を捉えて、ありすはゴボゴボというような声で言った。 「おべえ ざん どうじべ こん こと」 「好きだったから」 妹はありすの頬に手を伸ばし、慈愛のこもった目でささやきかけた。 「ゆっくりの仕組みに、とても興味があったから。あなた、どうしてまだ生きてられるの? ほんとにすごい……」 「あでぃ ず じんじゃう もお じんじゃうじゃ わ゛」 「こわい? ゆっくりでも、死ぬのはこわい?」 「ごわい゛ わ゛よっ しぬ゛の い゛やっ い゛やい゛や いばゃ」 だらだらと滝のように涙を流しながら、ありすがうめいた。と、その左目が、内側にごぽりと沈んだ。 あとに残った眼窩には、あふれ出してくるクリームすらなく、後頭部につながる暗いトンネルができた。 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛、あり゛ずっ、ゆっぶりじだいのぉ゛お゛お゛!!」 絶叫しながら、ありすは残り少ない生命力をふりしぼって、クリームをごぶごぶと飲もうとした。 最後のあがきをゆっくり見てやりたくて、僕たちはありすを固定する枠を外してやり、皿のクリームを口元に次々と差し出してやった。 だが、やはり、減った分を食わせて補わせるという方法では、無理があったのだろう。 息を詰めて見守る僕たちの前で、ありすの動きが急に鈍った。 妹が肩を縮め、僕の手をぎゅっと握る。 「お兄ちゃん……!」 「うむ。ほら、耳を澄まして」 ぬぢゃっ、ぬぢゃっ、と咀嚼していた口が、ふっと動きを止め、かすれた声を漏らした。 「もっど……ゆっぐ」 すべてのゆっくりの魂に刻まれた、臨終の言葉。 それを口にしたとたん、ありすの命は尽きた。 次の瞬間、ありすの口から、どぽぽぽぽぽぉーっ、とすべてのクリームが流れ出してきた。 ありすの存在を支え、ありすによって支えられていたそれが、ただの食材に戻った一瞬だった。 机いっぱいのクリームと、べっこりと潰れた金髪混じりの皮と化したありすを見つめて、妹が感極まったように叫ぶ。 「ありす……死んじゃった……!」 妹はきゅううっ、と身を縮めてびくびくと肩を振るわせた。 僕はその体を抱いてやった。細い妹の体が、とても熱くなっていた。 こぼれたカスタードクリームをすくい集め、冷蔵庫から出した新しいクリームを加える作業をしながら、さっぱりした顔で妹が言った。 「あー、すっごくよかったな、ありすの死にざま♪」 「そうだね。ありすなんてツンデレなだけでたいしたゆっくりじゃないと思っていたけど、どうしてどうして」 「えーっ、そんなこという?」 僕の前にきた妹が、ふふっ、と悪戯っぽく笑った。 「だったら、今度のいじめは一人でやっちゃおうかなあ……」 「あれ、一人でやっていいの? 僕と一緒のほうがいいくせに」 僕はわざと冷たく聞き返す。むっ、と眉を吊り上げて、妹が言い返した。 「一人でできるもん」 「ほんとに?」 「……うそ! やっぱりお兄ちゃんとしたい!」 ふにゃ、と顔を崩して、僕に抱きついた。 うん、やっぱりこの妹は可愛い。 「そうだね、いっしょにいじめようね」 「うん! ねえ、ゆっくりれいむにする? それともぱちゅりー?」 「まあゆっくり考えよう。うちには僕の壊れまりさもいるし、まだこいつもいるし」 僕たちはありすの口を洗濯バサミで閉じておいてから、後頭部にカスタードを注いでいった。 満タンにしてから、取り除いてあった皮を戻し、耐水の絆創膏を貼る。 ここらあたりは、まりさで一度やったことだから、もう慣れている。 そして声をかけてやった。 「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね、ありす!」 しばらく待ったが、動き出す様子がない。 首をひねった時、妹がポンと手を打った。 「そうだ。乙女ちっくなありすのことだから……」 妹はありすを持ち上げると、その唇にキスをした! たちまちのうちに、青白かったありすの頬に紅が差し、金髪がふっさりとしたつやを取り戻した。 何度か瞬きをして、目を開ける。 「ゆぅ……ん」 「おお、目覚めた」 「王子様のキスのほうがよかったかなあ」 「起きたんだから別にいいじゃないか。さあ、ありす。ゆっくりしていってね!」 僕が声をかけると、ぱちくりと瞬きしたありすが、ぱあっと光が散るような笑顔で答えた。 「ゆっくりしていってね!!!」 あっさり生き返った。本当に単純な生き物だ。 まだ記憶が戻らないのか、それとも単にぼんやりしているのか、僕たちを見る目に嫌悪や恐れはない。 生まれたばかりの赤ちゃんゆっくりのように、わくわくした顔で二人を見比べている。 妹がちょっと寂しそうに言った。 「あれぇ、あたしたちのこと忘れちゃったのかな、ありす……」 「いやそんなことはない、ちゃんと覚えてるよ」 僕が言ったとたん。 「ゆ・が・あ・あ・あ・ああ……!」 ありすがガッと口を開けて、がくがく震え始めた。 以前、解体したまりさと同じように、思い出したのだ。 僕は妹の頭に手をあて、優しくなでながら言ってやる。 「な、大丈夫だったろう。よかったな」 妹は嬉しさに顔を輝かせて、うなずく。 「うん、たっぷり怖がってもらえそうだね!」 僕と妹の虐待道は、まだ始まったばかりだ。 これまでに書いた話 ゆっくりいじめ系1084 ゆっくり実験01 ゆっくりいじめ系1093 ゆっくりエレエレしてね! ゆっくりいじめ系1098 アストロン対策 ゆっくりいじめ系1235 少年 ゆっくりいじめ系1246 二人のお兄さんと干しゆっくり ゆっくりいじめ系1279 れいむよ永久に安らかに ゆっくりいじめ系1386 ゆっくりボール続き このSSに感想を付ける